« ペダルにハーフクリップを付ける | Main | 「雲樓」の五目肉焼きそば、再び »

September 25, 2008

文藝春秋十月号『新・東京裁判』

Bunshun_0810

文藝春秋十月号『新・東京裁判』

 いやー、半藤一利さんと保阪正康さんを中心とした昭和史の討論シリーズはどの回も面白いのですが、今回もいろいろ教えてもらいましたよ。

 正直、元老とか内大臣の占める意味というのが、よく分からなかったんですが、今回ので、よく分かりました。

 重臣の役割について語られるのは近衛文麿や広田弘毅といった政治のリーダーシップの不在に関して。戦前の総理大臣は国務大臣を辞めさせることができないなど権力の分立を招きやすいシステムだった、と。

 元々、統帥権の独立も、西南戦争の苦い経験から出てきたと言われていますが、そうした分立の欠陥を維新の元勲たちが束ねることで統治を保っていた、と。そうした統合の象徴が元老という存在だった、と。その最大の役割は内閣総理大臣の奏薦だったが、大正末から昭和期にかけて元老が少なくなってきて、西園寺公望だけになってしまった、と。その後出てきた重臣たちは、東條が言っていたように《重臣は総理経験者といってもみな失敗したリーダーばかり》だった、と。

 結局、元老の後継者がいない状況の中で求心力が生まれてきたというか、存在がクローズアップされてきたのが御璽を預かる内大臣のポスト。内大臣で大久保利通の息子である牧野伸顕が引退した後は、木戸孝允の孫で元商工省の文書課長もつとめた木戸幸一が、その役割を担った、と。

 知らなかったのはぼくだけなのかもしりませんが、なんか元老、重臣、内大臣の関係がよーくわかりました。

『新・東京裁判』
半藤一利/保阪正康/福田和也/御厨 貴/戸部良一/日暮吉延
1 東京裁判は政治劇だ ──マッカーサー
2 陸軍を蝕む官僚支配 ──東條英機と梅津美治郎
3 海軍善玉論は本当か ──伏見宮と米内光政
4 逃げる政治家たち ──近衛文麿、広田弘毅
5 メディアの大罪 ──朝日新聞とNHK
6 天皇側近の不作為 ──西園寺公望、牧野伸顕、木戸幸一
7 昭和天皇 苦悩の果てに ──開戦と聖断

|

« ペダルにハーフクリップを付ける | Main | 「雲樓」の五目肉焼きそば、再び »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23829/42585951

Listed below are links to weblogs that reference 文藝春秋十月号『新・東京裁判』:

« ペダルにハーフクリップを付ける | Main | 「雲樓」の五目肉焼きそば、再び »