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June 27, 2008

6月大歌舞伎と国立劇場「神霊矢口渡」

Kabukiza200806b_handbill

 6月大歌舞伎は午前の部の『新薄雪物語』を見ました。

 「新薄雪物語」は初めての見物。混乱した脚本に感じますが、一幕ごとに、役者の見せ場があります。だから、顔合わせが揃わないと面白くならないと言われるのかな、と。

 戦後の上演記録をみても、「新薄雪物語」の薄雪姫は後に歌右衛門さんとなる芝翫、いまの芝翫さんとなる福助、それに玉さまがだいたい1回ずつやっているんですけど、今回の芝雀さんは2回目。このほか今の福助さん、孝太郎さんなどもやってますが、薄雪姫は女形にとっては縁起の良い役というか泊付けの役なんでしょうか?

 梅の方を演じる芝翫さんがまったく声が出ていなかったのが気になりましたが、だんだん乗ってきて〝三人笑い〟にピークを持ってきたんでしょうかね。

 悪の首謀者である秋月大膳の富十郎さんは貫禄十分。葛城民部との二役も歌舞伎ならでは演出。人間は表裏ふたつの顔を持っているというのが江戸時代の人生哲学なんでしょうね。

 染五郎さんは奴妻平もよかったし、『新薄雪物語』の後の長唄舞踊『俄獅子』の鳶頭もよかった。気分良く踊っていた感じ。

 にしても、時代物にありがちな忠義のために我が子を殺すという話とは正反対の、親の情によって子を助けるという話なので、これから上演回数も増えていくんじゃないのかな、と思います。

 今回は三階で見ました。芝居はいいんだけど、前に座っている和服の女性が髪はアップしまくっているは、帯は大きくつくってきて前傾姿勢ですごく見にくい。まあ、わざわざ和服を着て見にきてくれているのでガマンして見物。

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 もう一本、国立劇場で『神霊矢口渡』の「頓兵衛住家の場」も孝太郎さんが出るというので見物に。

 孝太郎さんはやんごとない身分のお侍に一方的に惚れる町人の娘という役所がはまってるなぁ。亀寿さんの新田義峰、義興もよかった。

 ちなみに、作者は平賀源内。矢口の渡しの近くにある新田神社のHPによると、源内は《境内の不思議な篠竹で厄除開運・邪気退散の「矢守(破魔矢の元祖)」を作り、広く御祭神の御神徳を仰がしめることを勧めた。また、源内は江戸一族の策謀を卑劣なやり方として、この新田神社の縁起をもとに浄瑠璃・歌舞伎「神霊矢口渡」を脚色し、これが当時の江戸っ子の気質と合ったかのように、大変うけて爆発的な大当たりとなり、江戸庶民の新田詣が始まるのである》とのこと。破魔矢も源内のアイデアだったんですか…さすがです。

 最後のド派手なエンディングは珍しいとのことで、いいもんを見せてもらいました。

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