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June 19, 2008

『バーボン・ストリート・ブルース』

Bourbon_street_bruce

『バーボン・ストリート・ブルース』高田渡、筑摩文庫

 映画『タカダワタル的ゼロ』が公開されることを記念してか、高田渡さんの語りおろしの自伝『バーボン・ストリート・ブルース』が筑摩から文庫化されました。

 元は山と渓谷社から刊行されたのですが、こうやって高田渡さんの人生が自分の言葉で残されたというのは本当によかったな、と思います。

 高田さんの父親は大学出ながら共産党員の日雇い労働者。母親は子どもの頃になくし、東京で極貧生活を送りますが、その中での生活者の明るさみたいなものを感じながら育ちます。中学卒業後、日共の赤旗を印刷するあかつき印刷に就職し、文選工となります。その後、紆余曲折を経て(それは本を読んでのお楽しみ)、フォークシンガーとして生きていくわけです。

 改めていいと思ったふたつのことは、高田さんの詩に対する考え方と写真。

 高田さんは『ごあいさつ』あたりから現代詩に曲をつけることが多くなったのですが、それは《現代詩をいろいろ読んでいたなかで、日常の風景を語りながらも静かに問題提起をしているという詩に多く出会ったからだ》《僕は、ほんとうの詩というものは、「最後に出さざるを得ない、厳選された一句」だと思う》ということで《普通の人々の日常を歌った現代詩に魅かれ、それに自分で曲をつけるというやり方をとってきた》というんですな(p.128-)。

 そして6*6からはじまりニコマートを愛用したモノクロ写真は素晴らしい。貸し暗室で現像までやっていたという腕前は確かです。201頁の玉子屋の写真の光なんかすごい。

 一服の清涼剤のような本です。

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