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May 14, 2008

『反哲学史』

Anti_philosophy

『反哲学史』木田元、講談社学術文庫

 『反哲学入門』は講釈師のように面白く哲学史を語る木田先生の入門編としてお勧めですが、実は、『反哲学史』をより簡単に説明した、という感じの本でもあります。

 『反哲学入門』ではしょられているのはシェリングでしょうか。ならば『反哲学史』でその部分だけおさらいすれば、木田哲学史はほぼ完璧。

 シェリングはヘーゲルを世に出すことに骨を折ったのに、そのヘーゲルから『精神現象学』序文で痛烈な批判を受け、飼い犬に手を噛まれたような格好で、以降、ドイツ哲学界に君臨したヘーゲルの影に隠れたような存在になってしまったのですが、ヘーゲルがコレラであっけなく死んでしまった後に復活します。

 シェリングはデカルト-カント-ヘーゲルと連綿として受け継がれていく西洋哲学が、理性では非合理な現実は理解できないという立場をとっているとして、そうした近代哲学は「消極哲学」=ネガティヴであり、その点、自らの哲学は「積極哲学」=ポジティヴであると主張しました。

 でも、非合理的な事実存在をあえて問おうとする自身の哲学がなんでポジティブなんでしょうか?

 木田先生は、元々、ラテン語のponoには「定められたもの」という意味があり、人間的な理性では理解できないような悪や悲惨も神が「定めた」ものなのだから、そうしたものは「事実」として受けいれていこうじゃないの、という主張だというんですね。そしてシェリングの講義を聴いて、「実存」という言葉だけに影響を受けて自身の哲学をかたちづくっていったのがキュルケゴールだ、と。

 こうも分りやすく説明されてしまうと、なんか騙されたような気分にもなりますが、少なくとも頭の整理にはなりますんで、ひとつ…。

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