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April 30, 2008

『入門政治経済学方法論』

Political_economy

『入門政治経済学方法論』清水和巳&河野勝編、東洋経済新報社

 ようやく杉花粉のマスクもとれそうなので、コムズカシイ本も時々は読もうかという時、小田中先生のサイトで見つけたのが『入門政治経済学方法論』。ボーッとしている状態でポチッと押してしまったので、後で教科書的な使われ方をする本であることに気づきました。この時点でちょっと失敗した感がつのります。

 親分の清水和巳さんが書いた第0章「政治経済学方法論のために」を期待して読んだのですが、うーん…素人なんでよく面白さが味わえませんでした…。といいますか1行空けの工夫とかもっとすれば読みやすくなるのに…などと思いつつ読んだので、身につかなかったんでしょうが。

 ということで、最初から乗れませんでしたが、とりあえず、買った本はよほどのことがないかぎり読むことにしていますので、わからないところも含めて、一応、読了しました。\3,360もしたので、とりあえず、知らなくて、もしかしたら後で役立つかもしれないと思った情報だけでも箇条書きにしておきます。

・ハンソンの「データの理論負荷性」p.21というのは単純に「認識する側が持っている認識によって観察結果が影響を受けること」でしょうが、そこから自己実現性が起こるかも、というあたりは面白かったですかね…。

・統計学においては一般化線形モデル的線数と質的変数は統一的に扱われる、と(p.64)。一般化線形モデルでは説明する要因と説明される要因との関係が説明する要因によって定められる中心的傾向と、観察値のそれからの乖離によってモデル化される、と。うーん、ぶっちゃけ、だから説明できないぐらい乖離するデータがあらわれると簡単にモデルか破綻するんですかね…。

・近年、莫大な演算処理能力を必要とするマルチエージェント・シミュレーションが手近なPCでも簡単に実施できるようになったことから、社会科学においてもこのようなシミュレーションを研究方法として用いようとする気運が高まってきた、と(p.82)。だからといって、後書きのように、その手法の説明までもバラッばらに行う必要があったのかな、と(p.227)。

・KKV(ゲリー・キング、ロバート・コヘイン、シドニー・ヴァーバー)の『社会科学のリサーチデザイン』というのはヒマがあったら読んでみようかな、と(p.149)

・すんません、数式の部分は理解できませんでした…。

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Comments

pataさん、余計な出費をさせてしまったようで、申訳ありません。「スタンダードな経済学まわりの学問領域の教科書としては」面白かったというべきでした。

Posted by: 小田中直樹 | April 30, 2008 at 08:53 PM

小田中先生、わざわざ恐縮です!それまで知らなかった、新しい知見にも触れることができましたし、改めて自分の勉強不足も思い知らされたこともあって、貴重な本をご紹介いただいたと感謝しております。
ということで、引き続き、お勧めの『読書教育』をゲットしました!

Posted by: pata | May 01, 2008 at 10:17 AM

KKVは教科書としてはもっと難しいですよ。あまり数式はない本ですが、計量分析をしない質的分析にも、量的・統計学的な変数の扱い方やモデリングを用いて、科学的に推論しようと説いている本です。
最近の社会科学方法論の入門書は、自分のPCのエクセルでデータを弄りながら理解していくことを考慮する傾向にあります。実践的マニュアル的なところまで求めなければ、KKVより、高根正昭『創造の方法学』(講談社現代新書)が手頃かと思います。70年代に書かれ著者も若くして亡くなられたのですが、今も読まれている古典的な入門書です。

マルチエージェントは、たぶん本で読むよりこういうのhttp://www.youtube.com/watch?v=ShDZqR-rnGE
を見る分には楽しいですね。文化の伝播だとか集住だとかの過程が視覚的にわかります。例えば、一定領域に複数の人種を投入し、異人種隣接居住に対する寛容度にバラツキを加えると、形成される居住パターンやコミュニティ形態が違ってくるといったことが、目で見てわかります。寛容度が低いとすぐにコミュニティが固定化して、高いといつまでも流動的なモデルを見せてもらったことがあります。どうやって作るのかはわかりませんが…

Posted by: hisa | May 01, 2008 at 02:59 PM

hisaさん、どーも!高根正昭『創造の方法学』さっそく読んでみます!

Posted by: pata | May 01, 2008 at 03:45 PM

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