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March 23, 2008

『前哨』クラーク追悼

Setinel_clarke

『前哨』アーサー・C・クラーク、早川書房

 アーサー・C・クラークさんがお亡くなりになりました。

 やっぱり一番、影響を受けたのはノベライゼーションの『2001年 宇宙の旅』ですかね。映画はロードショー時には観られなかったのですが、最初のリバイバル公開時に観ました。ですから、ロードショー時の「映画を最初に観る-->わけ分らずノベライゼーションを読む-->やっとわかって再見する」という黄金のパターンを味わえませんでした。

 『2001年宇宙の旅』はそれだけのインパクトを与える作品だったと思うんですよね。とにかく、リバイバル公開などがされるとは思ってもみなかった状況の中で、ノベライゼーションを読んでしまったのですから仕方ありません。でも、正直、子どもにとっては、ノベライゼーションでも十分すぎるぐらいの衝撃を受けました。いまでも、内容を学校で友人たちに興奮しながらしゃべりまくったことを思い出します。

 そんなのが個人的な"2001年物語"なのですが、映画『2001年宇宙の旅』で印象的だったのは月で1:4:9という最初の3つの整数の二乗となっている立方体のモノリスが見つかり、人類がモノリスを発見するほどの進化を遂げたことを確認するため、掘り出され、太陽光を受けた瞬間に木星に信号を送るというモチーフでした。知的生命が、地球に生まれた人類が《揺籃の地である地球を離れて宇宙へ飛び出》(『前哨』p.276)したことを知らせるビーコンだったわけですが、『前哨』のそれはピラミッドです。

 そうしたビーコンをつくった知的生命は《幼年期にあるわれわれの文明を助けたいと考えているのだろう》(p.276)という文章は1951年というベトナム戦争前の時代が書かせた楽観論なんでしょうね。

 《わたしはいま天の川を眺めるたびに、その積層する星の雲のどの方角から使者がやってくるのだろうかと、思い惑わずにはいられない》《そう長く待たなくてすむのではないかと、わたしは思っている》(p.277)と書いたクラークでしたが、残念ながら、ファーストコンタクトも長い間テーマとしていた人類の宇宙的進化も見届けることはできませんでした。

 セイロン(当時)に日本円で1500万円ぐらい払えば、当時の政府がメイド付きの住居を与えてくれて、そこに住むというライフ・スタイルもいいな、と思ったものです。赤道直下のセイロンにいつか軌道エレベータ―が設置されることを祈りつつr.i.p.

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