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February 01, 2008

『中庸』雑感

『大学・中庸』金谷治訳注、岩波文庫

 「四書」の最後に学ぶべき書とされたのが『中庸』です。金谷治先生は『大学・中庸』の中で、『中庸』の成立について、子思から伝承されたオリジナルの『中庸』が成立し、それは孟子にも通じる思想であったが、さらに荀子の「誠」も取り入れながら、様々な学者によって註されたテキストだとしています。

 一読、極端さを求める今の世の中にはかったるすぎるように感じますが、そうはいっても政治のリーダーたちには、自分たちのことなんかは放っておいて

《言顧行行顧言 君子胡不慥慥爾(言は行を顧み、行は言を顧みる。君子なんぞ慥慥爾[ぞうじんじ]たらざらん)》

 なんてことを求めがちだな、なんてことは思います。

 この意味は《ものを言うときにはことばが実行より過ぎないようにと注意し、事を行うときには実行がことばに及ばぬことがないようにと注意[して言との一致に努力]する。君子はいつも緊張して勤めないではおれないのだ》(p.162-)とのこと。

 同じように《失諸正鵠、反求諸其身(これを正鵠に失すれば、反ってこれを其の身に求む)》なんてことも求め勝ちです。意味は弓の儀礼は君子のありかたと似たところがある。《的をはずれて失敗すると、自分で反省してその原因を[他に求めず]われとわが身について求めるというところだ》(p.165-)。

 考えてみれば、こうした書物を読み、自分たちを律してきた東洋のリーダーたちというのはいじらしいじゃありませんか。そういう東洋が、たぶんあったということは好きですし、いまでも、少しは残っていてほしいな、と思います。

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