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January 01, 2008

『シャーロックホームズの回想』

Memories_of_sherlock_holmes

『シャーロックホームズの回想』コナン・ドイル、日暮雅通、光文社

 光文社から刊行されている日暮雅通氏の個人訳『新訳 シャーロック・ホームズ全集』はいいですね。ホームズものは長編二作の後、ストランド誌に連載された短編もので人気が沸騰したのですが、その影にはシドニー・パジットの挿絵があったといわれています。

 郊外での捜査の際に着用する鹿撃ち帽(ディア・ストーカー)にインヴァネスという扮装は、シドニー・パジットが『冒険』の『ボスコム谷の謎』の挿絵で描いたのがイメージとして定着したといいます。原文では、確かに《長い灰色の旅行用マントに身を包み、ぴったりした布の帽子をかぶっている》(p.138)としか描かれていません。

 こんな発見といいますか、シャーロッキアンにとっては初歩的な知識かもしれませんが、新しい知識を訳注で与えてくれるだけでも日暮訳は素晴らしい。

 この『回想』でも、ドイルが不出来なために、オリジナルの『回想』から除外した『ボール箱』が、ストランド誌の掲載順に名作『名馬シルヴァー・ブレイズ』と『黄色い顔』の間に収められています。

 これまで、例えば新潮文庫では最後の短編集『シャーロツクホームズの最後の挨拶』に収録されていましたが、新潮文庫の解説にも、なぜ、そのような形になったのかということは説明されていませんでした。

 ホームズものを読み返すのは、これで3回目か4回目ですが、英国の国民文学であるという位置づけで改めて読むと、自分がなんで、こんなに惹かれるのかな、という疑問に裏書きを与えてくれたみたいで、何も考えない楽しみだけの読書には、これからもホームズものは活躍してくれそうです。

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