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December 19, 2007

『村上ソングス』

Murakami_songs_2

『村上ソングス』村上春樹、中央公論新社

 ぼくは村上春樹さんの良い読者ではありません。未読の長編だってまだあるぐらいです。最初の頃の「下手だな…」という印象がどうも強いみたいで、熱心に追いかけるということはかったのですが…。

 ということで『村上ソングス』は基本的に自分のレコードコレクションから選んだ曲の歌詞を訳し、見開きのエッセイを付けたもの。雑誌「エククァイヤ」に連載した12曲に15曲を加え、さらにイラストを添え和田誠さんが選んだ2曲を加え全29曲のソングブック。

 村上春樹さんは高校生ぐらいの時からポップスやスタンダードナンバーを訳していたと書いていますが、そうした経験がなければスキータ・デービスSkeeter DavisのWhy does the sun go on shining? Why do the birds go on singing? Don't they know. it's the end of the world.という曲から『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』は生まれなかったと思いますし、自殺者や自殺の試みの描写の背景にはロバート・アルトマンの『マッシュ』で使われた「自殺をすれば痛みは消える Suicide is Painless 」が流れているのかな、と思いました。

 正直、感情移入できる曲は少なかったですが、1950年にウッディ・ガスリーが作って、ビリー・ブラッグが1996年に復活された「イングリッド・バーグマン Ingrid Bergman」を教えてもらったのは嬉しかった。今では、Napsterですぐ聴ける環境が整備されているのもいいですね。シェリル・クロウの「生きているうちにしたいこと All I Wanna Do 」なんかも知らなかったから、さっそく聴きました。

 無知をさらけ出すようではありますが『中国行きのスロウ・ボート On a Slow Boat to China 』がソニー・ロリンズのデビューアルバム"Sonny Rollins With the Modern Jazz Quartet"で演奏されていたのはなんとなく知っていましたが、フランク・レッサーの曲に詞がついているとは知りませんでした。

■収録曲
神さましか知らない
幸福とはジョーという名の男
人生のイミテーション
ニューヨークの秋
ムーンライト・ドライブ
ブルーに生まれついて
ジーン
中国行きのスロウ・ボート
イングリッド・バーグマンの歌
ブルー・モンク(修行はつらい)
この家は今は空っぽだ
バッチズ
眠る蜂
オキナワに戻るよ
自活する子供を神は祝福する
さよならを言うたびに
ガルヴェストン
自殺をすれば痛みは消える
孤独は井戸
生きているうちにしたいこと
ミス・オーティスは残念ながら
酒とバラの日々
羊くん(ミスター・シープ)
1957年のディズニー・ガールズ
五時のホイッスル
よそには行かないで
ステート・トゥルーパー
バン・バン(和田誠訳)
誰にも奪えない(和田誠訳)

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