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October 10, 2007

『第82空挺師団の日本人少尉』

82

『第82空挺師団の日本人少尉 アフガン最前線』飯柴智亮、並木書房

 ベトナム戦争時代も米国に渡った日本人がひょんなことら(自ら志願したり)米軍に入って、戦ったという記録はいっぱいあるし、『サムライYの青春』横内仁司、角川文庫みたいな形で記録が残されている例もある(これはなかなか良かったです)。

 ということで、ベトナム和平協定が結ばれた1973年に生を受けた飯柴智亮さんが、映画ランボーに感動して、米軍に入ってしまうというのもそんな特異な体験談ではないんですけど、瞬間風速的に貴重だな、と思うのが、派遣された地域がアフガンだということ。

 3000メートル級の山々に囲まれたアフガンはゲリラが道路でアンブッシュ(待ち伏せ攻撃)するには絶好な土地だけど、ヘリコプターを使えば、ある程度は回避できる。ソ連もこれに懲りて補給はトラックよりも、ヘリコなどで行っていたものの、対ソ戦時代にアメリカ軍が与えた対空ロケットによってソ連は壊滅的な打撃を受ける、と。しかし、その後の内ゲバや権力を握った狂信的イスラム原理主義者に対しては補給を行わなかったことで、スティンガーも役立たずが増えている、といのうが現在の状況のようです。

 そんな中、山のてっぺんを確保している米軍に対しても、アフガンのゲリラは攻撃を仕掛けますが、心理的な効果は与えつつも、壊滅的な打撃は与えられず、やがてそうした攻撃に慣れてきた米軍の物量作戦によって、追いつめられていく、みたいな過程がわりと忠実に書かれています。

 著者は自分を兵器とともに写真に撮らせるのが趣味みたいな感じで、大量の写真が載っていますが、あまりにも多すぎていかがなものか、と。ドイツ軍には第二次大戦中のパンツァーファストを改良した対戦車兵器パンツァーファスト3があるとは知らなかったなぁ(p.78)。これを進化させたような兵器が米レイセオン社製の有線誘導式対戦車ミサイルITAS。このITASはフセインの息子、ウダイとクサイが立て籠もるバンカーを破壊、仕留めた兵器だそうです(p.72-)。

 まあ、男の子の中にはある一定の割合で「戦いたい」という気持を持った子たちがいることもも事実なわけで、そうしたことを無視してはいけないと思います。

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