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September 10, 2007

『海馬 脳は疲れない』

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『海馬 脳は疲れない』池谷裕二、糸井重里、朝日出版社

 池谷裕二さんの本は3冊目。どれも、同じようなことを語っているんじゃないかと思い始めて、とりあえず、これでチェーン・リーディングはやめておこうかと思います。

 この本は「ほぼ日ブックス」として出され、池谷裕二さんと糸井重里さんの対談で構成されています。

 糸井さんが池谷理論で一番、感動していたのは《三〇歳を過ぎてから頭はよくなる》という命題ではないでしょうか。《あらゆる発見やクリエイティブのもとである「あるものとあるものとのあいだにつながりを感じる能力」は三〇歳を超えた時から飛躍的に伸びるのです》(p.105のまとめ)というあたり。《痴呆のような病気をのぞけば、「年をとったからもの忘れをする」というのは、科学的には間違いなんです》(p.15)というあたりも救いですよね。

 最近、団塊の世代に対する風当たりが強くなっていて、若年層から「早く団塊の世代がどかないから、自分たちの居場所がなくなる」みたいな言い方をする人もいますが、これってしょうがないのかもしれませんね。だって、巨大な同年代人口を持っているばかりではなく、どんどん頭の中のネットワークも人的なネットワークも強くなっていくわけですから。

 糸井さんの《「一級」や「特級」というような人に実際にお会いすると、驚くんですよ。一般的には無口だとかもの静かだと思われているような人が、実際には相当な冗舌なんです》(p.28)というのは、貧しいかもしれませんがぼく個人の経験とも合致します。少なくともぼくが会った「この人はデキルな」という人は、ほとんど例外なく明るく冗舌です。暗くて無口な人というのは会ったことないな…。

 やや唐突に話されるし、その後の展開もイマイチなんですが、池谷さんの《ぼくとしては、宗教は「人間が関係性を欲しているから」存在していると思っています。何かに依存するというかたちで他人と交わったり話したりすると言いますか》(p.47)というあたりはなるほどな、と。

 《神経細胞なら、昆虫でもほぼ一緒です》(p.62)、《サルは額が垂直ではないです。あれは前頭葉がないから斜めなんです。額が垂直なのには人間だけですよ》(p.69)、《直面したものごとに対して、次々と思い込みを重ねていくという性質が脳にはあるんだ、ということを、海馬のない患者さんから学ぶことがでるんです》(p.136)なんてところはなにが人間をして人間たらしめているか、ということをクリアすぎるかもしれないけど思い切って説明してくれています。

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