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July 22, 2007

『NINAGAWA 十二夜』

Ninagawa_12_night

 土曜日は歌舞伎見物。

 久しぶりに歌舞伎座通いをしはじめるととまりません。これからも、月に一度は歌舞伎座で芝居を見物しようと思います。

 今月は『NINAGAWA 十二夜』。初演の時も見て、素晴らしいなと思ったのですが、さすが今回は2回目(先月の博多座も含めると3回目)ということもあって、余裕が出てきたというか、ビジュアル的に洗練された蜷川ワールドを御見物の方々にご覧になっていただければいいんだ、という菊五郎劇団の意志が統一されているような感じがして楽しめました。

 菊之助、素晴らしい。主膳之助と琵琶姫の二役というか、琵琶姫は獅子丸と男に扮しているわけで、その妖しい魅力を舞台でいま出せるとしたら、若い菊之助だけなんだろうな、と思います。

 特に新しくしたという二幕目の踊り。衣装も含めて完璧だった。

 また、前回は「全体に長いな…」と思われたセリフもあったのですが、今回は随分刈り入れてテンポが良くなっていると思いました。

 それと、大河ドラマ『風林火山』で武田信玄を演じている市川亀治郎さんが「麻阿」(原作ではマライア)というキレる悪女を演じているのも歌舞伎ならでは。初演の時よりも、より「賢いエロ女の感じ」を出していると思います。左團次さん扮する洞院は麻阿の悪知恵を褒めて「まるで孫子のよう」と言うのですが、これは「信玄のよう」とまではくだけられなかったんですかね。昔はもっと、こうした遊びはやっていたとと思うのですが、最近は自粛しているのでしょうかね。ただし、亀治郎さんがプログラムで語っていた《古典と違ってこれはエンターテイメント、理詰めで考えてどうなるというものではありませんしね》という言葉はいただけませんね。こんなことは考えていたとしても、言うべきことじゃないと思います。

 ということですが、また二年後ぐらいには見たいですね。そして、将来の新菊之助にも菊五郎劇団として継承していってほしいと思います。

 千秋楽は29日。お見逃しなきよう。ちょっと厳しいこといっちゃいましたが、舞台は抜群なので『風林火山』の御屋形様ファンもぜひ。

P.S.

 つまらない話ですが、ぼくは「見物」という云い方が、素晴らしく潔い云い方だと思います。歌舞伎役者は「お茶、おかしなどを召し上がりながら最後までごゆるりと御見物下さいますよう」などと言ったり、客のことを「御見物の方」と言ったりするのを聞いて、「自分たちは、興業を見て楽しんでもらう慰みものなのだ。しかし、精一杯つとめれていけば、なにほどかには到達できるのだ」という諦観があると思います。その点、サッカーや野球の選手なんかより、よほど厳しく自分たちを律していると思います。

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