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June 01, 2007

『実録小泉外交』

Koizumi_gaiko

『実録小泉外交』飯島勲、日本経済新聞出版社

 『実録小泉外交』というタイトルは重すぎるというか実録になってない。

 というか外交交渉そのものが実録的に記録されるハズはなく、ちょっとオーバー。名著『小泉官邸秘録』のように、敵を明確にして、それを橋本内閣以来の強化された首相権限と官邸機能で打ち破っていくというシステマチックな論述も見られません。せいぜい、外務省の通り一辺な下準備に批判が向けられる程度。一回目の訪朝の時に拉致被害者の安否が書かれた書類が赤十字会長宛になっていたのを咎めるというあたりも「正直、どうして、そんなことに目くじらをたてるのかなぁ」とよく理解できない(p.107)。

 ただ、ASEAN+3(日中韓)やアジア欧州会合(ASEM)なんかが、こんなに開かれていたんだな、というのは改めてびっくりしました。これにAPECとサミットを加えても首脳会議は年4回。四半期に1回のペース。しかも必ずアメリカへの参勤交代があるから、日本の首相はほぼ2ヵ月に1回、海外出張しなければならない。これは身体的にもけっこう大変だな、という印象は受けました。

 アジアでの会議などの記述で、発展途上国に対しては世界秩序を乱さないということが強くアメリカから求められていて、日本もそうした方針に沿ってやっているんだろうな、という雰囲気を感じたのと、インドとの関係は意識的に深めている感じは伝わってきました。まあ、しかし、全体的には、書けない事情もあるんだろうとは思うけど「正直、首脳外交ってなんの?所詮は単なる顔合わせなの」とも思ってしまうところが弱いところ。

 ふんだんに写真が使われていて、これのカラー版でも作れば、小泉ファンにはけっこう受けるんじゃないだろうか。その場合は『純ちゃんの外交アルバム』がふさわしいタイトルだとは思うけど。

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