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April 16, 2007

『ニヒリズムの宰相 小泉純一郎論』

Nihilismkoizumi

『ニヒリズムの宰相 小泉純一郎論』御厨貴、PHP研究所

 タイトルもナンだし、版元もナンなので、チラッと見ただけで手に取ることもなかった新書なのですが、よく見れば「隆・貴コンビ」の御厨貴さんの本なので、読んでみようか、と。

 もう、小泉政権については語られすぎていて、ちょっと食傷気味なところはあるのですが、どうしても「よくわからないけど分水嶺を超えちゃったかも…」という意識があるもので、やはりそれなりの人が書いていれば、読んでおきたい、みたいな。

 この「超えちゃったかも」感をうまく説明してくれているところがP.146-の竹下元首相による大蔵大臣論。竹下元首相によると、三期連続で大蔵大臣で予算をつくったら、もうその大臣には逆らえない、というんです。実際、三期連続で予算を編成した佐藤、田中、福田はみんな総理大臣になっている、と。では、なぜ誰も逆らえなくなるのかというと、3年連続で予算編成したら、最初に陳情されたものに全て予算をつけてやることができる。そうなると全ての勢力から人もつくしカネもつく、というわけなんです。

 小泉前首相は竹中さんを使って5年間も経済財政諮問会議で予算編成を行ないました。基本方針は「説得せず、調整せず、妥協せず」というニヒリティックスな三無主義。そうなると、もう元には戻りません。族議員に陳情など誰もいかなくなり、旧勢力は潰れてしまった、と。

 あと、有権者の小泉前首相に対する評価が《あとワンクールは小泉さんでいいのではないか》(P.40)と思わせる仕掛けを行なってきた、という見方は、どこかで読んだ気もするけど、改めてなるほどな、と。小泉前首相は考えてみれば、年4回ぐらいはなんか仕掛けてきましたもんね。

 それと、ひと言で云って小泉前首相のことを《一家言はあるけれども、何か深さはないという人間》(P.54)というのは言い得て妙だな、と。

 あと、ヨーロッパでも大統領化現象が進んでいる、という指摘にも、なるほどな、と(P.123)。

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