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April 20, 2007

『ミクロコスモス I 』

Mikrokozmosz

『ミクロコスモス I 』中沢新一、四季社

 前著の『芸術人類学』と同じく、評論、エッセイ、講演録などの文章を集めた本。IIも同時発売されているが、今後、中沢さんのエッセイは『ミクロコスモス III 』『ミクロコスモス IV 』『ミクロコスモス V 』などとまとめられていくんでしょうか。

 ミクロコスモスというタイトルは"MIKROKOZMOSZ"と名付けられたバルトークのピアノ曲の小品集から本歌取りされています。最後に納められている「芸術人類学研究所を開く」で初めて知ったのですが、中沢さんは大学院時代、バルトークを研究しようとしてハンガリーの政府奨学生の試験に4回落ちているんですね(p.187)。

 まあ、これは意外でしたが、まあ、所詮は雑文集。しかも、玉石混交。

 やや読み応えがあるのは神学はトートロジーであるとして伊勢神宮外宮の神官、度会家行(わたらいいえゆき.1256~1351)が書いた『類聚神祗本源』を分析した「哲学の後戸」ぐらいでしょうか。

 後、意外によかったというか書評されている本を読みたくなったのが「心のトポロジーとしての建築学」の『人類と建築の歴史』藤森照信。藤森さんは太陽信仰から新石器時代に円環状の世界観と建築が生まれたが、やがて冬至と夏至の対立を軸とした神話から女性原理をあらわした円環状の建物の真ん中に塔があらわれ、男性原理への権力の移行も生まれた、みたいな話(pp.180-)。

パルトークの"MIKROKOZMOSZ"をもしお聴きになりたければ、個人的には8枚組のピアノ曲全集をまとめたZoltan Kocsis(ゾルタン・コチシュ)のをお勧めします。

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Comments

こんにちは。ちょっと前に某SNSでコメントをいただいたchaboです。

記事中にちょっと気になる名前があったので、普段、良書をたくさんご紹介いただいているお礼に、ちょっとした情報を(といってもすでにご存知かもしれませんが)。。

気になる名前とは藤森照信さん。藤森さんは、今、東京で二つの展覧会を手がけていらっしゃいます。ひとつは、銀座エルメスビルでのインスタレーション「メゾン四畳半」。
http://www.j-wave.co.jp/blog/hermes/

もうひとつがオペラシティ・アートギャラリーでの展覧会「藤森建築と路上観察-ヴェネチア・ビエンナーレ建築展帰国展」です。
http://www.operacity.jp/ag/exh82/index.html

僕は藤森さんの著作は読んだことがなく、なんだか面白いものを造る人だなぁという印象を持っているだけなのですが、純粋に展覧会として面白そうだし、どちらも見に行くつもりでいました。もし参考になりましたら。。。

Posted by: chabo | April 23, 2007 at 04:29 PM

chaboさん、コメントありがとうございました。
藤森照信さんも、今はすっかり建築家方向や学術方向に振れているようにお見受けしますが、最初に知ったのは『路上観察学入門』あたりからで、建築探偵シリーズは大好きで、懐かしかったです。藤森さん情報、ありがとうございました!

Posted by: pata | April 23, 2007 at 05:19 PM

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