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December 13, 2006

"お接待"の精神と池上と民商と

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「池上」 香川県高松市鶴市町1009番地 087-882-3263

 二度目となる讃岐饂飩巡礼を果たしてきました。FC東京の天皇杯五回戦を観た後だったので巡った店は鶴丸、池上、源内、根ッ子の4軒でしたが、前回と同様、素晴らしい体験となりました。

 今回は個人的なテーマをひとつ持っていきました。それは前回の旅で疑問に思った「なんか、山越でも一杯90円のうどん売るのにガードマン雇って行列を整理させたり、他の店でもメチャクチャ安い値段しかとらない。この商売っ気のなさはなんなんだろう」という背景を少しでも感じたい、というものでした。最後に行った松屋製麺所なんかは、店終いをしている最中に喰わせてくれて、しかも舌代はタダにしてくれるという親切ぶりでした(今回、お礼にうかがいたかったのですが、日曜日は休みなので行けませんで残念です)。

 とにかく、一杯100円もしないうどんをずっと売っているのも奇跡のような話です。讃岐では「某店が一杯100円から150円に値上げしよった」と批判されるのですが、東京ならすぐ300円か500円にしちゃうでしょ。本当に商売っ気がありません。

 当日は朝、全日空クレメントからタクシーを飛ばして、8時ぐらいには店についてしまいました。開けっ放しの店の中では瑠美子おばあちゃんが若い衆三人と一緒にうどんをうっている最中。並ばせてもらいます、と挨拶すると「ちょっと早いから待っててね」と笑顔。

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 「いやー、三年前、土曜日に来たらお休みで、今日は絶対に来ようと思って張り切りすぎちゃいました」と言ったら「悪かったね。川でも見てきて。ほかの人たちが並んでも覚えておいてあげるから」とことで東香川の河原に。池上でも「ステキな河原」と紹介されていますが、なんもないけどいい風景。早朝野球やってる人たち、犬を散歩している人たちがのんびりしていて、犬を連れた見も知らぬ人からも挨拶されます。 イタリアのときも思ったのですが、結局、こうした人懐っこい人たちに会いに旅行するんだろうな、と思いましたね。

 かなり上流まで歩いて、川に手を浸したりする。帰りに瑠美子おばあちゃんが杖を付きながら散歩しているのに遭遇。「そんな大きな荷物持って重たかったでしょ。ウチには若い人がようけおるけ、預けておけばよかったのに」というお言葉には涙腺が緩みそうになる。

 ということで、9時半過ぎには店に戻り行列の先頭に。冷たいのを二玉。なんか盛りが少なかったらしく「もう一杯お出ししますので、とりあえず一杯食べていてください」ということになり、最初はプレーンで、二杯目は七味を加えていただく。なんのへんてつもないが旨いうどん。塩加減、水加減はおばあちゃんしか分からず、最後の水加減にいたっては手の先にちょこっとつけて振る加減で調整するという伝説のうどん。確かにいただきました。

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 当たり前ですが、池上はまだ民商に入っているようでした。今にもつぶれそうな店の外に貼ってあるポスターでは憲法九条改正にもキチンと反対しています。そんな地に足がつきまくっているような風景を見ると、チラッと「日共のやってきたことは全て消えるかもしれないが、民商は残るかもしれない」と思いました。

 民商は零細店舗の経営者のためにいろんなサービスをしますからね。イデオロギッシュなところもあるだろうけど、それより、納税とか面倒くさい中小零細業者に対するサービスという面の方がまさっているんだろうと思うのですが、どうなんでしょ。きっと人さまのためにサービスすることしか運動なんて残らないのかもしれない、なんてことも感じました。

 『僕の叔父さん 網野善彦』中沢新一、集英社、2004に描かれていたようなクリスチャンからから共産党員へという、第二次世界大戦後に確かにあった良心の遍歴といいますか、中世には橋をつくったりするための勧進に出かけた聖たちのような心証もそこにはまだひょっとしてあるんじゃないか、なんてことも思いました。

 讃岐の人たちが一杯100円もしないうどんを出し続け、楽しげに声をかけてくれるバックグウランドにはお遍路さんたちに対する"お接待"の精神があるから、と聞きましたが、改めて、なるほどな、と納得した次第です。

 それと「近くのマルヨシセンターさんの駐車場には、絶対にクルマを停めないようにお願いします」とのことでしたので、最後に書いておきます。あまりにも人が押しかけてきているわけで、近所からの苦情で文化遺産ともいえるような「池上」の営業が難しくなったら大変ですから。

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Comments

ごぶさたです。
はやく言ってくれればなぁ。
うどん以外もおすすめできたんですが。
池上の存在は、奇跡だと思います。
陳腐な言い方ですが。
元住人でも。

ところで、
帰りも、ムーンライト瀬戸ですか

Posted by: bard | December 14, 2006 at 02:27 AM

どーも、ご無沙汰しております。うどん以外では高松の「あきやま」という小料理屋と、丸亀の「一鶴」にいきました。四国は大好きですので、次はアドバイスお願いします!
で、帰りはさすがに新幹線で戻りましたw

Posted by: pata | December 14, 2006 at 05:55 AM

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