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September 14, 2006

『道徳哲学講義』

Adoruno

『道徳哲学講義』T.W. アドルノ、船戸満之訳、作品社

 哲学というのは、誰もまだ発したことのないような問いを問いかけることなんじゃないのか、というのは永井均先生が、ずっと云ってきたことなんじゃないかと思いますが、なんつうか「哲学というのは、解決され得ない『問い』を考えることでもあるんじゃないのか」などどつまらぬことを考えながら読んだのがアドルノの『道徳哲学講義』です。

 アドルノといえば、最高にカッコ良い命題があります。

 それはもちろん「社会全体が狂っているときに、正しい生活というのはあり得ない」という命題です。

 でも、それは自明な命題ではないし、証明もされ得ない。だから、実は単なる問いかけなんじゃないかと思います。

 この講義は、この命題というか問いかけの周りをカント、ニーチェ、ヘーゲルなどに寄り道しながら散歩した記録です。

 結論めいたことは最後になって、語られますが、それが果たして本当の結論なのか。そんなことはないと思うのですが、あまりにも、あっけない語り口なので、記録しておくにはいい話です。アドルノはこう語っているんです。

 「もし私が古典古代の慣わしに従って基本徳の名を挙げよよと強いられるなら、多分、しぶしぶながら、他ならぬ謙譲という徳の名を挙げることしか出来ないでしょう」(p.281)。

 講義は話し言葉になっているので、わかりやすいです(もしかしたら単に誤読しているのかもしれないけど)。続いて『社会学講義』も読んでみようと思い、発注しました。

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