« 「たき下」の戻りかつお叩き丼 | Main | 稲本がガラタサライに移籍したのでトルコ語でも勉強しよう »

August 31, 2006

『小泉政権 非常の歳月』

Koizumi_seken

『小泉政権 非常の歳月』佐野眞一、文春文庫

 『小泉純一郎 血脈の王朝』を文庫化にともない改題した作品。なんで、こんな風に改題するのか、商業的理由以外は思いつきません。版元の良心を疑いますね。内容も小泉政権を問題にしたというよりも、小泉首相をとりまく飯島秘書官、田中真紀子衆議院議員、実姉の小泉信子さんという三人に焦点を当て、そこから逆に小泉純一郎個人の輪郭を浮かび上がらせようというものだし。

 それはさておき、その手法そのものも成功しているとは思えません。実際にインタビューに成功したのは飯島秘書官だけだし。文藝春秋に最初に連載されたその回は、姉二人と弟一人が智恵遅れで本人も強制的に集団就職に出されるなど「狂い死にしてもおかしくない境遇と背中合わせの世界から這いあがってきた者」として描きます。したたかな飯島秘書官は、その回の文章のコピーを朝鮮総連に配って小泉訪朝につなげていったというのですから凄いんですが、小泉信子さんは自身の回に激怒、ますますマスコミから遠ざかったといいます。

 特に小泉信子さんの章は、小泉家の長姉の結婚の失敗(消息が不明だった小泉首相の元義兄、竹本公輔さんは窃盗の常習犯となっており、入出獄を繰り返していた)などを執拗に追ったもので、後味は確かに良くありません。

 ちょっと露悪的すぎだなと思いつつ、でも、この後味の悪さは、あまりにも奥深さを感じさせなかった小泉政権の隠されたテイストなのかもしれないと思って本を閉じました。

|

« 「たき下」の戻りかつお叩き丼 | Main | 稲本がガラタサライに移籍したのでトルコ語でも勉強しよう »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23829/11697888

Listed below are links to weblogs that reference 『小泉政権 非常の歳月』:

« 「たき下」の戻りかつお叩き丼 | Main | 稲本がガラタサライに移籍したのでトルコ語でも勉強しよう »