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August 13, 2006

『古民家再生住宅のすすめ』

Kominka

『古民家再生住宅のすすめ』宇井洋、晶文社

 今はなきというか、教育関係以外からは撤退したといわれる晶文社のイイ本というか、どっかで文庫化した方がいいんじゃないかみたいなのが、この本。はじめに《建築家は家づくりが三度のメシより好きな建築命の人間ばかりですので、本気でよい家を建てたい人なら遠慮なく建築家に住まいの相談を持ちかけてください》と書かれているようにシックハウス症候群という言葉が有り前のように使われる中、オルタナティブな方法として古民家を移設して、その骨組みを使って新たな家を建てましょう、というがこの本のススメ。

 古民家いいですよね。なにせ柱が太い。天井板を省けば、ダイナミックな柱組が白壁に映えて、ワクワクしそうです。一方、新建材で作られた"マイホーム"のなんとチープなことか…というのが著者の主張。

 徐々に古材の流通システムも整ってきているようで(p.37-)、イメージを膨らませて憧れの古民家を探すところから、設計、解体、移築工事と続くプロセスもわかりやすく紹介されています(p.84-)。

 古い農家の場合、建坪が60坪もあるから、そのまま都心に移築するのは土地代から難しいとか、二階建てにする場合、本来、天井裏の小屋裏を改造するが、小屋梁が何本も横切っているため、総二階建てにはならないなど(p.108)実際的な話も面白い。

 後半がノウハウ本なら、後半は実例集となる本の真ん中にはカラー写真が豊富に使われていて楽しいですね。巻末の古民家に特化した建築用語集も便利かも。

 類書はあまりないので、ぜひ、文庫化して、再生してもらいたいところ。

 古民家が二束三文だということで成り立っているということも考えられるわけですが、まあ、そこまでいわなくても、古民家の意義は十分これからも高まっていくと思います。

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Comments

古民家の移築保存ですと瀧下嘉弘氏も先駆的に活躍、海外移築まで手がけておられますが、こうした現代の住宅事情(=狭い)に即した現実的な手法が紹介されているのは面白そうです。
北野武の映画「座頭市」の最後、エンドクレジットの手前で悪党に放火された百姓家を村人総出で再建するシーンが挿入されています。この一瞬の場面で僕はこの作品を高く評価しました。
3ヶ月で建てて、30年ローンが終わる頃には建て直しというのとは時間の単位が違います。300年ですからね。

Posted by: hisa | August 14, 2006 at 10:10 AM

hisaさん、コメントありがとうございます
にしても、晶文社、こんないい本出していたのに…おしいです

Posted by: pata | August 14, 2006 at 03:30 PM

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