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April 17, 2006

神田散歩

Ishehiro_oyak_don

 先日、神田から神保町をグルッとまわったことがあった。

 神田駅前あたりで昼飯時になったのだが、この時は、どういうわけか「親子丼」が喰いたくなっていた。となれば「伊勢ろく」しかない。秋葉寄りの駅のガード下にあるので便利だし。

 ここは店が狭く、後ろを通る客のためにはカウンターに座る客はカラダを横にしたり、ひどい時には足をカパーッと広げることも要求されるのだが、この玉子のフワフワ具合というかトロトロ具合がサイコーな地鶏親子丼が680円(大盛り780円)で喰えるので文句はない。

Matsuya_mori

 サクッと喰って腹ごなしに秋葉まで歩く。鉄道博物館も、もうすぐ移転だな、などと考えているうちに「まつや」の近くであることに気づく。

 となると、当然、もりの一枚ぐらいはたぐっていかねばならない。

 いつも思うのだが、この端正なそばが550円とは、本当に素晴らしい。特に、この日のは、普段は固いなという印象が、よりコシの方向にシフトされていて、サイコーの出来だった。ありがたい、ありがたいと濃いそば湯を飲み干してしめる。

 秋葉で用を足した後、最終的には神保町で本を漁って帰る算段をしていたのだが、そうなると、行き来する時間の間に、ちょうど焙煎してもらえるので、谷中珈琲で豆をペーパーフィルター用にひいてもらうこともできる。チェーン店なんだけど、けっこう、いいと思うんすよね。ここ。

Book_diver

 ということで、古本屋街を歩き、水道橋に抜けて散歩を終了しようとしたら、神保町の交差点からちょっと水道橋の方向に歩いたところで、「Book Diver」なる新しい古本屋さんを見つける。前は小さな倉庫みたいな感じで使われていたところだ。すぐ近くにも、同じようなところをレコード(そう、CDじゃなくって古いレコード)を扱う店が出来ていた。

 なんか、区役所の出張所みたいな感じ。中ではお茶がタダで飲めるようになっている。うーん、ちょっと雰囲気的にはツライもんがあるけど、頑張ってもらいたい。いろいろ棚を見ていたら梯明秀さんの『戦後精神の探求』が佇んでいたので購入。梯明秀さんなんか読むの何十年ぶりだ…と思いつつ、パラパラと読みながら帰る(Wikipediaにも載ってないんだ梯明秀さん…あ、舩山信一さんもだ…)。

 もうどの本で読んだのか忘れてしまったが、梯明秀さんの文章では、今でもふたつ印象に残っているものがある。ひとつは夏の夜、大学からの帰り道でふと佇んでいると、一面、蛍が乱舞していて、波がよせるみたいに動いているシーンを見ながら「自分がやってきた学際の研究というのは、こういうことなのかもしれない」と考えるというエッセイ。

 もうひとつは、恐慌とはどういうことかを説明する際に、将棋倒しを例にもってきた文章。戦前は、人が多く集まって、整理されないでいると、人は動きたくないのに動かされたり、意志とは逆の方向に集団の力で動かされたりして、最終的には誰かが倒れると、将棋倒しのようになってけが人や死者がでるようになことがよくあった、と。梯さんは恐慌とは、そういうことだ、と説明するんですわ。つまり、個人の合理的な意志決定ではどうすることもできない経済的災害を資本主義は内包しているんだ、と。

 ホタルの話は日本のヘーゲル=マルクスの系譜の人には珍しくヴィジュアル的に素晴らしいし、将棋倒しの例も旨いと思いましたねぇ。読んだのは、確か、高校3年生だったな…。

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