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March 22, 2006

『体の贈り物』

the_gifts_of_the_body

『体の贈り物』レベッカ・ブラウン、柴田元幸訳、マガジンハウス

 すべての短編が"The Gift of ~"で統一されていて、題名はThe Gifts of the Body。おそらく、著者が経験したのであろう末期のAIDS患者の身の回りの世話をするNPOのプログラムで得た、患者たちとのやりとりをたんたんと描いている。

 一番好きな場面はThe Gift of Skin「肌の贈り物」の最後。もう動けなくなった患者の体を洗った後、シーツを体に掛けようとしたところ、「彼が片手で私を制した。『まだ掛けないで』と彼は言った。『空気がすごく気持ちいい。空気を肌に感じていたいんだ』」。

 世話をしていた人たちはすべて死んでいく。しかし、最後には体の贈り物を感じるし、別な贈り物も感じていたと思う。

 gift。どこか宗教的なものを感じて、キリスト教の意味を探ってみた。新訳聖書のギリシア語でgiftはχαριστοs(カリストス)。リデル・スコットの辞書で引いてみると、最初に出てくるのはthanksgiving, free giftだった。

 素晴らしい作品集。ぜひ。

The Gift of Sweat
The Gift of Wholeness
The Gift of Tears
The Gift of Skin
The Gift of Hunger
The Gift of Mobility
The Gift of Death
The Gift of Speech
The Gift of Sight
The Gift of Hope
The Gift of Mourning

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