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February 01, 2006

『黒いアテナ』

black_athena

『黒いアテナ 古典文明のアフロ・アジア的ルーツ (2〔上〕)』マーティン・バナール (著),、金井和子(訳)、藤原書店

 ずーっと読むか読まないか悩んでいたが、日曜日の朝日の書評を見て購入。考えてみれば1年半も悩んでいたことになる。そして、読み始めると、この1年半がいかにムダだったかわかった。

 『黒いアテナ』は全部で4部作になる超大作で、藤原書店から出されたのは、その第2部。まるでスターウォーズのような構想だが、この第2部のいいところは、序でまだ日本語訳されていない第1部の内容がサマライズされいる点。さらに、驚いたのだが、序では第2部の全12章について、約70頁にわたって内容紹介がされていること。いたれりつくせりというか、この後、重箱の隅をつっつくような論議にはつきあいたくない、という人もこの『黒いアテナ(2〔上〕)』の138頁まで読めば、第1部と第2部がほぼ俯瞰できるという便利さ。

 そこまで読んでやめてしまったぼくのような人間も困った存在かもしれないが、まあ、『黒いアテナ(2〔上〕)』の序は、こうした長大な人文書の中でも最優秀なものだと思う。だって古代ギリシアのフェニキア・エジプト起源説の方が、北方からきたインド・ヨーロッパ語族による征服というアーリアモデルよりも妥当性が高いという論旨は、それなりに有名だけど、あまりにも細かくやられるとつきあいきれない、という多くの非専門家にとっては、まるで著者自身による書評を読ませてもらえるわけで、こんな便利なことはないから。

 『アメリカの大学院で成功する方法―留学準備から就職まで』吉原真里、中公新書では、大量に専門書を読まなければならない場合には、まず書評を読めというなんとも実際的な対処方法が紹介されていたが、そんなのを思いだした。

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