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January 13, 2006

ニコンが銀塩から撤退か

f3hp

06年最初のブラックフライデーには、やっぱりヤなニュースが伝えられた。

「ニコン、フィルムカメラから撤退へ デジカメに押され」

 まあ、時間の問題だろうと思ってはいたが、ひとつの時代が確実に終わったことを感じる。

 ぼくの子供時代、ニコンのFヒトケタシリーズを自分が所有できるなんてことは一生ありえないだろうと思っていた(ライカなんていうのは異次元の世界だったわけで)。それほど、光り輝いていたというか、近寄りがたい存在だった。

 最初に買ったのは忘れもしないFE。そして、FM2、F3と買い足していったけど、新品で買ったのは最初のFEだけだった。趣味的にF、F2 Photomicも購入し、交換レンズもいつの間にか、20mmから200mmの単焦点が揃って幸せだった。一時、増えすぎた銀塩カメラを大量にヤフオクに流したけど、どうしても、FM2とF、F2、F3とAiの単焦点レンズ群だけは手放せなかった。

 写真で喰っていくプロではないので、媒体に載っても扱いは小さいから、仕事用としてはF3に24mm、サブ機のFM2に85mmぐらい付けていけば、立派に役だってくれていたし、この単焦点の24/85というのはモノを写す時の基本画角としてアタマに焼き付いた。考えてみれば、たった一度だけ『太陽』に掲載されたのもF3に24/f2をつけて撮った写真じゃなかったかな…。ま、そんなことはおいといて。

 F4以降のオートフォーカスに行かなかったのは、まあ、当時としては高かったということもあるし、最初の頃のF4はファームウェアがあまりよくなかったというのを師匠からうかがってもいたので、なんとなくタイミングを逸したんだと思う。逆に「F5は最初っから完成品の出来の良さだよ」とは聞いていたが、でかすぎて、個人で所有する気にはなれなかったし、F100はF5と同じ露出プログラムを使っていなかったので敬遠した。

 ということで、個人的なニコン物語はマニュアルフォーカスで終わっているのだが、これはこれで、まったく問題はない。富士フイルムが銀塩のフィルムを発売してくれる限り、あるいはコダックがトライXを発売し続けてくれる限り、まったく古びることなく栄光のニコンFヒトケタは使える。

 久々に詰め替えのトライXでも買い込んで、週末は撮影してみようかな…。タテ位置シャッター付のプロ改造防滴モータードライブを付けたF3には24/f2、F2 Photomicには85/f2で…。

 ちなみに、F2のPhotomicファインダーはカタチは初期なんだけど、プラスネジの後期型。しかもフォトミックAファインダー(DP-11)と同じように、耐摩耗対策がなされている優秀なファインダー。これでレンズのカニ爪をF5.6にあわせてガチャガチャとF値をボディに認識させる儀式は「さあ、撮影するぞ」という気分が高まってよかったんすよねぇ…。まあ、今は昔の話になりましたが。カメラの「音の記憶」で個人的に鮮明というか好きというか想い出すのは、このフォトミックファインダーにレンズを装着するときのガチャガチャと、F3のモードラの音ですかね。

ニコン、フィルムカメラから撤退へ デジカメに押され(2006年01月13日08時28分)

 1917(大正6)年創業の老舗(しにせ)カメラメーカーのニコンが、フィルムカメラから事実上撤退する。一眼レフ全8機種のうち6機種の生産を順次終了。残る2機種も新規開発をやめる。デジタルカメラに経営資源を集中するためだが、愛好家やプロに愛された往年の名シリーズは姿を消す。

 生産を終えるのは、最高級機「F5」(税込み希望小売価格34万1250円)や「F100」(19万9500円)など6機種。プロ向けの「F6」(31万5000円)、初心者向けの「FM10」(3万8850円)の生産は続ける。

 撤退の理由は、デジカメに押され、売れ行きが急減したため。ニコンは00年度にはフィルム一眼レフを108万台出荷したが、05年度は約14万台に落ち込む。一方、デジタル一眼レフは160万台に伸びる見通しだ。カメラ事業の売上高に占めるフィルムカメラの割合は3%(04年度)に過ぎない。

 ただ、デジカメ市場も競争激化で価格が下落。京セラが撤退し、コニカミノルタホールディングスもカメラ・写真フィルム事業全体を大幅に縮小する。利幅の大きい一眼レフのデジタル化を進めるニコンは昨年「D70s」や「D200」などを発売して好調だが、ソニーや松下電器産業がデジタル一眼レフへの新規参入を計画しており、競争は激化しそうだ。


F2フォトミックファインダー(DP-1)の後期型の見分け方

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