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January 03, 2006

『シーズン・チケット』

purely_belter

『シーズン・チケット』監督: マーク・ハーマン

 いろいろ買いだめしていたDVDを消化しているのだが、これやっぱりよかったです。『シーズン・チケット』。原題の"Purely Belter"は「本当に最高!」ぐらいの意味か。応援しているチームが勝ったときサポーターが叫ぶ言葉のようだが、詳しくは知らない。

 ニューキャッスルは炭鉱の町。New Castle Unitedを愛する心優しきジェリーとスーウェルが500ポンドするシーズン・チケットを手に入れるために奮闘する話。どこまで誇張されているのかわからないが、主人公ジェリーはアル中で暴力を振るう父から逃げて母親と暮らしている。しかし、すぐ上の姉は家出していないは、母親はタバコの吸い過ぎで気管支をやられてゲホゲホいってるは、電話がかかってきてもどうせ借金取りかなんかなので出ないわ、ジェリー自身も勝手に休学するは、崩壊寸前というか絶賛崩壊中の家庭で過ごす。しかし、なぜか悲惨ではない。なぜなんだろう。フランスやアメリカ映画でも、なんかドッーと転落していくような展開になりそうなのに。

 主人公二人のサッカーへの想いがピュアだからだろうか?それが、どこかで踏みとどまらせているのだろうか。とにかく2年間かけて二人で1000ポンド(いまじゃ約20万円?ポンドって値上がりしたな…)のシーズンチケットを買うために、タバコもクスリもやめるというのが、なんともいじらしい。主人公ジェリーに民生委員のおばちゃんから「2週間学校に行ったらサッカーのタダ券やる」と言われれば、いろいろ我慢して学校の授業を受けるというのも含めて。

 とにかく、今シーズン、最初のゲームでは紅茶を飲むことを決めた。サッカーのチケット目当てに通っている学校での授業の場面。自分の体験を語る、みたいな授業で。

「(最初に連れていってもらったサッカーの試合のこと)何か覚えている?」
「父さんのコート。分厚くてすごく暖かかった。寒くて震える僕に掛けてくれて、すっぽりくるまるとホカホカした。風も吹いたし、雨も降ったけど、まるで平気だった。時々僕を気にする父さんはジャンパー1枚。でも満足そうだった」
「やさしいわ」
「ハーフタイムには紅茶を買ってくれて一緒に飲んだ」
「おいしかった?」
「最高(Belter)だった。本当に最高(Purely Belter)だった。砂糖は二つ。ミルクはたっぷりで。どう例えたらいいのか、あれは世界一の紅茶だった」

 万引きしたツルゲーネフの『猟人日記』を売りつけようとする場面には笑った。英語に翻訳された題名は"A Sportsman's Notebook "。これを主人公ジェリーは「ケビン・キーガンが書いたんたけど、ひとりじゃ書けなくって、友人のツルちゃんが一緒に書いてやったのさ」と説明する。

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Comments

主役の男の子って実生活ではサンダーランドのファンだったような。
仕事とはいえ、カワイソス。

Posted by: PINA | January 03, 2006 at 06:14 PM

でしたね(笑)
「サンランのサポーターなのにな~」
って、メイキングで言ってましたね。
原作も読んだんですが、原作とは違って、
ハッピーエンドっぽい、爽やかなラストで
感動しましたよ。

オシムさんの本・・・どこにも、見当たらない。

Posted by: GIG | January 03, 2006 at 11:23 PM

PINAさん、GIGさん、どーもでした

いやー、でも、よかったすねぇ、この映画

おいらの先輩でこの映画、劇場で見た人から「はよ見んかい!」といわれ続けて、やっと見ました…

にしてもStadium of Lightには今年も日が差しませんねぇ。サンダーランドは典型的なエレベーターチームになってますよね…。あと、この男の子は他に映画とか出ていないんでしょうかねぇ

さにかく、今年は味スタでミルクたっぷりの紅茶を持ち込んで、あの子たちがStadium of Lightでサッカーを観戦するような気持ちで試合に臨もうかと思います!

Posted by: pata | January 03, 2006 at 11:54 PM

サンダーランドの監督って、ミック?!
ニューカッスルもスーさんとスイサイダルなシーズンを過ごしているようです…。

>GIGさん
私の会社の近所でも「オシムの言葉」は瞬時に売り切れていたようで、私はタッチの差で手に入りませんでした。早くお手元に、をご所望であればアマゾンでオーダーが一番かと思います。

Posted by: PINA | January 04, 2006 at 08:19 AM

だけど、改めて新城ってビッグクラブって感じしますよね。結果はついてこないし、今は監督もいないけどw

シアラーがそのまま監督になるのかな

『オシムの言葉』はぼくもアマゾンから買いました

Posted by: pata | January 04, 2006 at 09:45 AM

クリス・ベアッティ君ですね。
劇団に所属してて、デビュー作でしたっけ?
この映画が。
その後は・・・見ませんね;
サンランの応援で忙しいのかな(笑)

『オシムの言葉』・・・諦めて、アマゾンでポチしました。

ウチのチームは、ミルクティどころか、
鍋でも食わなきゃ、見てらんない有様で・・・
いったい、何時んなったら、J1なんだろうか・・・

PATAさん、PINAさん
どうも有難うでした。

Posted by: GIG | January 04, 2006 at 09:06 PM

GIGさん、どーも。そうですか、クリス・ベアッティ君みませんか…

つか、この人の名前っていまはエバトンにいるビーティとスペル同じじゃないのか…どうなんでしょ

なかなか目ぢからがあって、よさげな感じもするんですがねぇ…


Posted by: pata | January 04, 2006 at 09:27 PM

イギリス映画はあまり見ませんがマイク・ハーマンとケン・ローチは好きです。虐待や失業,、薬物問題など深刻な社会問題がベースにあり、シリアスだけど心暖まるものが多いですね。ところで主役の子、アラン・スミスに似てません?

Posted by: KYO | January 07, 2006 at 12:01 PM

『ブラス!』は観てみようとおもっとります!

ケン・ローチ監督のは観てないんすけど…何がいいっすかね?『SWEET SIXTEEN』でしょうか…

それと、確かにアラン・スミスの子供の頃ってああいう感じじゃないかな、と思いますよねw

Posted by: pata | January 07, 2006 at 11:02 PM

ケン・ローチといえば、「ケス」!

Posted by: PINA | January 10, 2006 at 02:45 PM

ケン・ローチって、あまりDVDで売ってる作品ってないんですよね…

Posted by: pata | January 11, 2006 at 08:16 AM

そういえば「ケス」ってビデオはあるはずだけど、DVDってみたことがないかも…。
「the smiths is dead」という、the smithsってバンドのカヴァー集のジャケットに「ケス」の写真が使われてます。

Posted by: PINA | January 12, 2006 at 12:21 AM

アマゾンUKにはありました。
日本でリリースがないだけかもしれない。まぁそのうち出そうですけど。

Posted by: PINA | January 12, 2006 at 12:23 AM

おお、では、出たらさっそく!

Posted by: pata | January 12, 2006 at 12:40 AM

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