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December 09, 2005

『ベルンの奇蹟』

bern

 クラマーさんの講演からはじまって、『ブンデスリーガ』も面白かったし、明日はワールドカップの抽選だし、すっかりドイツモードにはまっているものだから『ベルンの奇蹟』のDVDを購入、素早く鑑賞。よかった。

 そう、ヘルベルガー監督率いるドイツチームが、ウェンブリーでイングランドを叩きのめすなど4年間無敗のマジック・マジャールをスイス・ワールドカップで破った歴史を再現するドラマだ。主人公マテアスは父がソ連に抑留されている11歳の少年。ワールドカップで通算10ゴールをあげたヘルムート・ラーンの地元クラブのマスコットをやっているという設定(この子がまた、全然、可愛くないわけ。まあ、それが当時のドイツの状態だったと監督は言いたいのかもしれないけど…)。

 その家庭に父親が抑留から帰ってくる。もちろん、そうとう痛めつけられている。精神的にも肉体的にも。

 父親は外では再び炭鉱夫として働き、一家を支えようとするがPTSDのような症状が出てしまう。家では久しぶりに奥さんに求められても「もう少し待ってくれ」と弱気に逃げる。しかし、子供の前では「ドイツ男は涙をみせない」と強がる。もちろん家庭はすさみ、長男は家を出て理想郷だと信じる東に向かう(これって北朝鮮への帰還運動を思い出せる…)。

 そんな空気を一気に打破してくれたのがワールドカップ決勝だった、というわけ。後は実際に観てのお楽しみ。

 『ブンデスリーガ』でも触れられていたけど、アナウンサーのツィンマーマンの実況は、当時のドイツ人すべてが空で暗記できるぐらいだったという。2-0でリードされた後、2-2に追いつき、さらにラーンが勝ち越しのゴールをあげると思わず絶叫する。

"Rahn schiesst....Tor! Tor! Tor! Tor! "(ラーンがシュート…ゴール!ゴール!ゴール!ゴール!)
8秒の沈黙
"Tor fuer Deutschland!"(ドイツのゴールです)

 日本でいえば「前畑ガンバレ」か。この勝利と実況によって、ドイツは自信を取り戻したといわれるが、もちろん、映画でも忠実に再現されている。決勝当日の観客のCGがちょっとプアなのが玉に瑕か。

 サッカーファンなら観て損はないでしょ。泣けます。

 スポーツが人々の心を解き放つということは、本当にある。そのことが『ベルンの奇跡』なのかもしれない。

 マジック・マジャールが決勝当日、真っ赤なユニフォームを着ていたというのも、この映画を観て、はじめて心に焼き付いた。

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Comments

ふーむ。
つまり「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」のラストシーンともかぶるような映画なのかね?
ところでレイの本はどないでっしゃろ?

Posted by: ken | December 09, 2005 at 12:08 PM

『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』とかぶりまくりというかインスパイア系。だけど、主人公っつうか、子供たちが全然、可愛くないわけ。そこが違う。

あと、『スパム』?

ざっと見たけど…マジレスすると、電車男あたりからの、秋葉の文化の香りをどこか漂わせると逆にオサレみたいな風潮には辟易としているんよ。

ああいったのは本人が天然のビョーキに気づかないから、周りから見ていていいじらしいんであって、わざとビョーキを装ったり、あるいは、それを考察の対象にしてみるみたいなのは秋葉の文化を小馬鹿にしているというか、最悪っつうか、Ωの法則もしらんで関係持とうとすんなっつうか、ハンダで火傷こさえてぐらいからにしろっつうか、抵抗値のカラーコードぐらい読めるようになってからモノ言えっつうかねぇ…

だいたい、そんなに簡単にマネできるほど、秋葉の文化は浅くないし、浅くマネしようとしてもみっともないだけだということに、追随組も気がつけば、と思うんだけど…

Posted by: pata | December 09, 2005 at 02:57 PM

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