« nano用キャリングケースの決定版 | Main | 「太樹苑」の塩ロース »

October 31, 2005

『味覚旬月』

mikaku_jungetsu

『味覚旬月』辰巳芳子、ちくま文庫

 真のやすらぎは家庭料理にある、というのが辰巳芳子さんがくりかえし語っていることだ。食育という言葉は、ちょっと変な風に使われているが、母親の手料理が拙かったりしたら、どれだけ生きる喜びが失われてしまうだろう。

 最後の日々を迎え汁ものしか喉を通らなくなったる時も「管からではなく味のあるスープを」と手作りのスープをすすめる『あなたのために―いのちを支えるスープ』は何回読んでも感動的だ。若いお弟子さんたちを相手に「家庭はこの世の天国です。あななたたちは、その天国を創造するというクリエイティブな仕事に招かれているのです」(うろ覚え)と真剣な眼差しで語っていたテレビの姿にも惚れました。

 ということで、この本は『手の味、心の味』にいくつかの文章、インタビューを加えて再構成された文庫本。梅ジュースの写真のなんと爽やかなことか。庭から獲られる薬味、つま、けんのなんと瑞々しいことよ。そして「思うに、つまを集中して刻む女の横顔など、時に胸をつかれるほど、美しいものの一つなのだけど」という文章の凛とした味わい。読書に疲れた時などに、すぐに取り出せるようにして、いつでも読めるようにしておきたい。

 枕元には、詩集を置いて、時々、読みながら眠るのだが、そうしたところにもふさわしいのが辰巳さんの本だと思う。

|

« nano用キャリングケースの決定版 | Main | 「太樹苑」の塩ロース »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23829/6788105

Listed below are links to weblogs that reference 『味覚旬月』:

« nano用キャリングケースの決定版 | Main | 「太樹苑」の塩ロース »