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July 05, 2005

『チョムスキー入門』

chomsky

『チョムスキー入門』ジョン・C. マーハ、明石書店

 敬愛する小田中教授のご推薦『チョムスキー入門』を読んだというか、見たのは先週のこと。日曜日が外で仕事だったので、その日に読もうと思い、アマゾンから送られてきたままにしておいたが、中身を見てビックリ。下手なマンガと荒い写真で構成されていた…。いや、別にいいんすけど。

 確かに、これで生成文法のことを語ったら笑われるけど、よくわからないということがよりハッキリした。つまり、個人的には、やっぱりチョムスキーの語っていることは電波としか思えない、ということ。

 「言語は学習されない。言語は育つもの」なんていうのは今西錦司先生の「人間は立つようにつくられている」と同じような感じを受ける。つまり老いの戯言…。

 簡単な入門書でわからないといってはナンだが「ガリレオ式の方法」という方法論もさっぱりわからない。もちろん、不肖・単なる市井の本好きなので、こうした「方法論が実のところよくわからない」のはもちろんぼくのせいである可能性が非常に高いのではありますが、もっともらしい名前が付けられていて、その実、よくわからないという方法論というのは、とりあえず納得できないな。

レヴィ・ストロースが『遠い目』で、ラカンが何言いたいのかさっぱりわからん、とロラン・パルトにこぼしたら、バルトも「実はワシもわからん」ということで一致し、「何か有用かもしれんが、人生の時間も有限だしいちいちつきあってられない」ということで意気投合したみたいな場面があったけど、まあ、これまでと同じように、チョムスキーというのは依然としてそうした人だな。実は、ソシュールに関しても同じようなことを思っていた時期があって、それが氷解したのは、学説史の中での位置づけみたいな形で紹介された本だったのですが、次、読む場合にはまったく不案内な現代言語学のパースペクティブを提示してくれるような本が出たらいいかな、と。そういうのが出なかったら、まあ、チョムスキーには縁なき衆生でいいかな、と。

 第二部の「社会評論家としてのチョムスキー」に関しては、一度聞けばもうお腹いっぱい、みたいな展開のない、いかにも学者さんらしい批判だな、と思っていたし、その印象は変わらなかった。唯一、面白いなと思ったのは、ケネディ時代のベスト&ブライテストをロシア・マルクス主義の政治委員と同じだ、と見立てていたところぐらいかな。

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Comments

おはようございます、小田中です。
●チョムスキーの「言語能力は生成的なものだ」という仮説(あくまで仮説に過ぎないわけですが)と、最近の認知科学のファクト・ファインディングを結びつけたら、「言語は自立的な存在だ」というポストモダニズムの所説を批判できるんじゃないか、とおもいついたものですから…。
●本の造作については、個人的には「教科書はチープなつくりのほうが格好いい」という美的感覚(?)の持ち主なものですから…。
というわけで、余計な出費をなさらしめたようで、たいへん失礼いたしました。では、これからも覗かせていただきます。

Posted by: 小田中直樹 | July 05, 2005 at 10:50 AM

おはようございます!

いやー、恐縮でございます。生成文法(確かに仮説ですね)に対する全体的な見通しなどないまま、「どんなもんなんだろうなぁ…」と思っていたら、先生のブログで見つけて小躍りして購入した、という期待値のむやみな高さが、こんなネガティブなことを書かせたのかもしれません。

こちらこそ、失礼いたしました…。

Posted by: pata | July 06, 2005 at 04:57 AM

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