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July 21, 2005

『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』

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『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』ポール・オースター(編)、柴田元幸(翻訳)

National Public Radio(NPR) のラジオ番組"All Things Considered."で募集された、市井のアメリカ人の実話集。普通の人々が自分の仲間内で、あるいは家族の中で伝えられてきた「あり得ないような話」「作家が書こうにも思いつかないような話」ばかりが集められ、出版自体が9.11の直後ということもあり、保守化して単独行動主義に走る政権を支持するようなアメリカ人ではなく、常に自分たちは何かを考えているようなアメリカ人も大勢いるのだ、ということを証明するようなプロジェクトにもなっている、といわれているような本。

 しかし、といってはなんだけど、どうも肌合いが違うことは否めない。これなら2chの話をまとめた『思い出に残る食事』の方が100倍出来がいい、と思って読んでいるうちに、カテゴリー別に分けられた「戦争」の話には魅了された。ストレートフラッシュ同志のポーカー勝負に勝ち8000ドルを巻き上げた兵士が、直後に日本軍の戦闘機に爆撃されて死んでしまうという話。志願制となった日本上陸作戦への参加をひとり部隊でとりやめた兵士が、ハワイへ帰る途中、乗っていた輸送船が機雷で撃沈されて死んでしまうという話。16歳のドイツ少年兵が「朝から何も食べていない」と泣き出してオランダ人の主婦からポテトをもらう話。「『耐え難きを耐え』というヒロヒトのフレーズの主語は私たちだったのだ」と語り始める「1945年のクリスマス」。

ちなみに「『耐え難きを耐え』という…」の原文はHirohito meant us when he said, "We must bear the unbearable"。

 いっぺんに全てを読むのはもったいない気がする。

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