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June 26, 2005

『心が雨漏りする日には』

amamori_ramo


『心が雨漏りする日には』中島らも、青春出版社

 土日とも仕事だったので、合間は亡くなられた中島らもさんの文庫本2冊を無聊の友とする。一冊目は『心が雨漏りする日には』。

 そうか、おとうさんも躁鬱病の方だったのか。子供の頃、プールとかつくってくれちゃうのは嬉しかったろうけど。でも、プールつくってやるぞ、といって最後までつくってしまうというのは典型的な躁じゃないと思うけど、どうなんだろ。プールつくるぞって言って、道具とか揃えた時点で、次のことに突っ走ってしまう、というのが典型じゃないかと思うけど。ま、いいか。

 あと、らもさん自身の自己治療として、劇団をつくってしまうというのも納得というか、思わず"唸り笑い"をしてしまった。「劇団を立ち上げるという行為は、あるいはうつ病には最適の治療法かもしれない」「人間関係のややこしさもない。なにしろ自分の作った劇団なのだから、気の合う人間しかいないのだ」(p.61)。なるほどねぇ。

 その後、クスリが効き過ぎて自殺寸前までいってしまったときのリアリティがすごい。自殺しようとした人は「シャツが汗でびしょびしょになっていたそうだ、雨にでも降られたのかというくらい」「おれは汗をかきにくい体質なのだが、それは一生分の冷や汗をあのときにかいたからなのかもしれない」。

 それと晩年はアルコールが少しでも入ると塗炭の苦しみを味わうというシアナマイドを服用して酒を飲んでも、まったく効かなかったそうだ。これは可哀想というか壮絶な話。「顔に赤みがさすだけだ」(p.110)。初めて聞いたよ…。飲み続けるとシアナマイドも意味ないじゃん…。

 母親が死んだ後、しばらくして、時間の感覚がなくなってしまったという話も深いリアリティを感じさせる(p.120)。存在の基盤の喪失ということなのだろうか。

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