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June 24, 2005

心理的な壁が崩れた件について

 ちょっと混乱していて、日本vsブラジルのことを書けなかった。個人的には望みの外のあまりにも素晴らしい日本代表のサッカーに何を書いていいのかわからなくなったからだ。

 「内容は最高で、引き分けは素晴らしい結果だった」とまで手放しでは褒められないし、かといって「ブラジルは引き分けさえすればよかったわけで、しょせんは遊ばれていただけ」と知ったようなことも書けなかった。

 正直に言うと、他の日記で、ギリシア戦について

「完璧だった。
 流れるようなパス回し。連携のとれた前進運動。前半30分すぎに一度だけ落ちたが、その運動量は90分間衰えることがなかった。
 そして、力尽きたギリシア相手に大黒が決めた1点を最後まで守り抜いた。
 メキシコ戦の不出来がウソのように走り回り、盗られない俊輔。俊輔と完璧なツーサイクルのエンジンとなったヒデ」

 とオマージュを書いたばかりだったので、二試合続けてこんな試合を見せてもらえるとは思わなかった。

 ぼくがサッカーの日本代表を見始めた頃は、タイやフィリピン相手にも苦戦したし、中東勢は絶対に超えられない「アジアの壁」という認識だった。特に横山監督時代に後退した時には「もう絶対にワールドカップに出場できるチャンスは巡ってこないだろう」と思ったものだ。

 それがあれよあれよという間に強化が進み、ドーハの悲劇を迎えることになったわけだが、ドーハでの最終予選は「アジアの壁というのは幻想だった」ということに気づいた出来事だったともいえる。しかし、確かに超えられない壁ではなかったと認識できたにせよ、実際に超えるためにはさらなるパワーが必要だった。そのことを思い知らさせたのがロスタイムの同点ヘッドだったわけだ。

 今回まで、ぼくだけかもしれないけれど、日本代表は欧州や南米のトップチームに対しては「善戦はできるけど、最後はどうせやられる」というのが相場だと思っていた。心理的には「欧州、南米の壁」がまだあったと思う。

 それが、コンフェデのギリシア戦とブラジル戦を経てなくなった。伸二がいない、中沢もいない2トップもベストメンバーではない、という状況でも、十分、戦っていけることがわかった。一試合なら「まぐれ」と片付けられるが、2試合もそれを見せつけられたのだから、信じてもいいんだろう。個人的にはこれで「心理的に超えられない壁」はなくなったと思う。もしかして、古くから見過ぎているからかもしれないけど、本当にトップチームとやっても十分やっていけると思ったのは、今回がはじめてだった。

 もっとも、だからといって、簡単に勝ちにいけるとは思わない。ドーハ後のフランス大会予選で苦労したように、4ヵ国との総当たり戦で勝ち点6あるいは5を取ってドイツ大会でもベスト16に進出するためには、まだまだ努力が必要だが(というか努力して達成できればマシなんだが…)。

 ただし、何回も書くけど、心理的な壁はなくなった。

 何事も対象化できなければ実現されない、というのは、高校生の頃からヘーゲル、マルクスを読んで染みついた発想なのだが、ようやく「ブラジルやアルゼンチン、ドイツやイタリアとやっても勝てる」という気がしてきたのは事実だ。

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Comments

ひさしぶりにコメントさせていただきます。
ギリシャ戦、ブラジル戦本当に良い試合でした。
私は、小野伸二が登場したあたりから、日本サッカーは欧州にも通用する様になると思っていました。
現在の日本サッカーは欧州のセカンドクラスの国と同程度まで来ているのではないでしょうか。
という事は、ユーロを制したギリシャともさほど変わらない?じゃあユーロで優勝することも夢ではない?
それほど簡単なことでは無いでしょうが、でも手の届かない位置でもないように感じます。

Posted by: Ryon | June 25, 2005 at 04:21 PM

お久しぶりです。ブログも読ませていただきました。

とにかく、前進していたんだ、ということを実感できたのはありがたかったです。

Posted by: pata | June 26, 2005 at 10:14 AM

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