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April 28, 2005

追悼 マリア・シェル

maria_schell

 アル中モノの芸術作品に最初に触れたのは、ルネ・クレマンの『居酒屋』(1956)だった。1969年の日曜映画劇場だったと思う。原作はもちろんエミール・ゾラの『居酒屋』。

 舞台は19世紀のパリ。浮気な内縁の夫に裏切られた洗濯屋のジェルヴェーズを演じたのがマリア・シェル(MARIA SCHELL)。実直な屋根職人クポーと結婚するが、その夫は事故で大怪我を負って以来酒浸りとなってしまう。クポーが屋根からズルズルと落ちるシーンは当時、ゾッとしたものだった(今でも思い出す)。

 貧しい家計を支え、懸命に働くマリア・シェルのなんといじらしかったことよ。しかし、その後、不幸というか悲劇のスパイラルに引きずり込まれていく。ラストシーンは居酒屋で佇むマリア。その表情は人生に絶望し、完全な無気力になっている。あのいじらしかったジェルヴェーズが…と子供心にも悲しかった。

 そのマリア・シェルさんが26日、肺炎のためオーストリア・ケルンテン州の自宅で死去したという。79歳と聞いて「そんなに若かったっけ…」と驚いた。完璧な大女優の演技をみせた『居酒屋』の時は30歳だったんだ…。

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