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February 12, 2005

『李賀詩選』

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『李賀詩選』黒川洋一編、岩波文庫

 広く言えば思想、狭く言えば政治などをテーマにした詩の多かった唐詩の時代に、李賀はファンタジーというか、いまでいえばバローズなんかにも通じる漂泊の魂を詠っている。

 『唐詩選』や『三体詩』には一首も取り上げられていないというあたりにも、その異端ぶりがうかがえる。例えば、これ「秦王飲酒」

秦王 虎に騎りて八極に遊ぶ
剣光 空に照(かがや)き 天は自ずから碧(あお)し
羲和 日を敲(たた)けばハリの聲あり
却灰 飛び尽くして古今平らかなり
龍頭 酒を瀉(そそぎ)ぎ 酒星を邀(むか)え
金槽の琵琶 夜チョウチョウたり
洞庭の雨脚 来たって笙(しょう)を吹く
酒 酣(たけなわ)にして 月を喝し倒行せしむ
銀雲 櫛櫛(しつしつ)として 瑤殿(ようでん)明るく
宮門の掌事 一更(いっこう)を報ず
花楼 玉鳳 声嬌獰(きょうどう)たり
海ショウ 紅文 香は浅清(せんせい)として
黄鵝は跌舞(てつぶ)す千年のサカズキ
仙人燭樹(しょくじゅ) 蝋煙(ろうえん)軽く
青琴の酔眼 涙泓泓(おうおう)たり

最後のところは「青い琴を爪弾く酔った眼に涙が浮かんではらはらと流れた」とも読めるし、青琴というのは太古の女神の名前でもあるので「麗しき女神の酔える眼に涙が浮かんではらはらと流れた」とも読める。両方の意味があるのかもしれない。でも、「セイキンのスイガン、ナミダオウオウたり」という読み下し文の調べの美しさの前には、どちらでもいいような気もする。

 ということで、なんで李賀の詩かというと、六本木ABCで岩波文庫の僅少本フェアをやっていて、そこでゲットしたから。もちろん『李賀詩選』なんかも品切重版未定だ。

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