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January 20, 2005

『老人ホームの錬金術』

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『老人ホームの錬金術』ティモシー・ダイアモンド著、工藤政司訳、法政大学出版局

 メディケア、メディエイドというのは大統領選挙の際にも必ず争点のひとつになって、その存在は知っていたが、こんな風に形骸化しているとは知らなかった。

 ざっくりと内容を書けば、メディケア(高齢者保険)と多少の蓄えによって最初は有料老人ホームで生活できていても、〝高齢者の平均年齢〟が80歳から90歳にあがることで、やがて蓄えがなくなり、有料老人ホームから退去を勧告された末に落ち着くのは、メディエイド(低所得者保険)用のすさまじい老人ホームであり、床ずれに悩まされ、排便介助もままならぬほど看護助手の人員が削減された現場では、すえた匂いと消毒臭だけが漂う、というものだ。

 長年、社会保険料を払い続け、老後の蓄えも残しながらも、多くの中産階級の人々がスペイドダウン(財産の食いつぶし)によって、希望をもてず、一杯のアルコールを飲むことさえ拒絶されるようなホームを終の棲家とせざるを得ない現実は肌が粟立つ。こうしたレポートをまとめたのが、自ら看護助手の資格をとって、現場に飛び込んだ社会学者だというのだから、冷静な筆致がさらに戦慄を感じさせる。

 実は(というほどのことはないのだが)、将来は理想的な老人ホームを自分でつくって、そこの理事長としてやっていくことも考えているのだが、日本の現実において〝グループリビング〟のような形態をとったとしても、月々の入居料は12~13万円はとらざるを得ず、もし、友人や仲のいい親戚の人がスペイドダウンした場合、果たして「退去勧告」できるのか、というようなことを考えながら読んだ。

 そうなると、本当に、投資管理を行いながら運営も行うという「ウォーレン・バフェットでもあり、マザーテレサでもある」ような強烈な理事長であることが求められるわけだ…。例えば入居費500万円に、投資委託金500万円で、20人を集めれば1億円を投資にまわせるわけで、管理運営はもちろん委員会方式でやらなければならないんだけど、PERの低い株式(長期で持っててもしょうがないんで)を3000万円ぐらいずつ保有するとか…。

 非常に考えさせられた本なので、週末にもじっくりと内容をアップします。

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Comments

何か身につまされる本ですなぁ…。
pataさんが老人ホームの運営ですか、
いや~あ、期待しています。

Posted by: 葉っぱ64 | January 21, 2005 at 05:46 PM

葉っぱさん、コメントありがとうございます。

ぼくの場合は身につまされるというより、戦慄でした…。

いま、この問題に関して、いろんなムックや本を読んでいます。福祉関係の資格なんかも獲ろうかな、なんて思っていまして…。

いろいろご紹介したいと思います。

Posted by: pata | January 21, 2005 at 06:32 PM

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