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January 30, 2005

山口瞳さんの単行本未収録作品

 年末年始にかけて、ようやく山口瞳さんの『男性自身』シリーズをコンプリートして読み終わったと思ったら、新潮社から出されていた27冊の単行本に未収録の作品がかなりあり、河出書房新社から『最後から二冊目の巻』『これで最後の巻』が年末年始にかけて出されていたことがわかった。

 しかも、こちらのBlog「酒飲みの自己弁護」によると、さらに未収録作品があり、それらも刊行される予定であると聞く。

 六本木ABCに毎日行っているにも関わらず、気づかなかったのは、日本人作家のコーナーは、わりとスッと素通りしてしまうのと、二冊とも装丁がまったく目立たないというのもあったと思う。「酒飲みの自己弁護」で知ってあわててAmazonで注文したが、六本木ABCで探してみたら、ちゃんと平積みはされていた。情けない…。

 山口瞳さんのことは本当に好きで、あまりにも好きだからそれについて分析してみたりすることもできないでいる。かといって小説はそれほどでもなく、ぼくにとって山口瞳さんは『男性自身』シリーズのエッセイストであり、ドスト氏らと旅した紀行文の作者だ。

 そして、文章がまったく下手だったとき(いまでは下手だが)、毎日、山口瞳さんの文庫を持ち歩き、読むだけでなく、写経するようにノートに文章を書き写させてもらった師匠でもある。こんな風にノートに書き写すと、句読点の打ち方の呼吸なんかがよくわかり、霧が晴れたような気持ちにさせられた。

 とにかく、まだ山口さんの文章が読めるというのは嬉しい限りだし、ライターや編集の人で文章に悩んでいる方がいたら、「たったひとつだけアドバイスできることは、山口瞳さんのエッセイを写経してみてくださいということだけ」と言えて、新潮文庫から簡単に手に入るような状態が続けばこんなにありがたいことはないと思う。

 作家は死ぬと読者を失う。新しく読者を獲得していけるような作家は数少ない。山口さんの作品は、そういう「死後も新たな読者を獲得していける力」があると思っている。
yamaguchi_colection

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