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October 01, 2004

『超恋愛論』吉本隆明

 六本木ABCでも2冊しか入ってこなかったそうだ。Amazonでも新刊なのに、表紙の画像がアップされていない。ま、それはおいといて。

 最近の吉本さんの本と同じように聞き語りの形式をとっている。内容は恋愛論そのもの。「恋愛とは覚醒剤をのむようなもの 今まで寝ていた神経が起き上がっていきなり自分が活性化する」(p.30)みたいな、もうストレートパンチの続出。

 あまり得意分野ではないので、詳しく内容に関して触れることはやめておくが「これまで言ってこなかったな」という部分についてだけ書く。それは第4章の結婚制度のゆくえで「意味を認めていなかった婚姻届というものの意外な重さを実感したとき」。

 吉本さんは前書きでも書いているのだが、事実婚でいいと思っていたが婚姻届を出すという行為は重要なものだと気づき、それは「一種の宗教的な行為なのではないかということです」(p.6)と語っている。「法律の中にはほんのわずかですが、「法」というものの本質が含まれていて、そこには無視できないものがあります。その無視できない部分というのは、たぶん宗教的な行為につながってい」る、と。

 それを詳しく書いたのが4章で「法律はもともとはるか昔の宗教に由来するもので国家もまたそこから生まれた」(p.147)という部分では、いまの日本の若い人たちの中で国家、国家と言っている人がいるのには驚かされるが、「考えてみれば、国民国家というものは、宗教のもっとも新しいかたちなわけですから、強固な信仰の対象であり続けているのは仕方ないことなのかもしれません」(pp.148-149)というまとめは見事だった。

 誰も評価しているのを読んだことはないのだが、吉本さんの聞き語りの文章は本当に読みやすい。この本も、ABCで買って、電車の中でほとんど読み終えることができた。
chou_rennairon.jpg

第1章 「終わらない恋愛」は可能か(いつでも逃げ出せるように精神の距離を遠くとっておくのが現代における恋愛
恋愛とは覚醒剤をのむようなもの今まで寝ていた神経が起き上がっていきなり自分が活性化する ほか)
第2章 男と女の足下にある泥沼(ほとんどすべての男の本音は明治時代と変わっていない
「飯の支度をどちらがするか」というような問題を抜きにしては恋愛は語れない ほか)
第3章 三角関係という恋愛のかたち(浮気とも不倫とも違う三角関係という非常に日本的な恋愛のかたち
精神的な絆で結ばれた親友同士の一人の女性めぐる関係を書き続けた夏目漱石 ほか)
第4章 結婚制度のゆくえ(意味を認めていなかった婚姻届というものの意外な重さを実感したとき
法律はもともとはるか昔の宗教に由来するもので国家もまたそこから生まれた ほか)
第5章 恋愛を書くということ(恋愛を書くとはどういうことなのか書くに値する恋愛とは何なのか
少年のマゾヒスティックな快感を描いたルソーの『告白』に見る文化史的意味 ほか)

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