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October 24, 2004

東京B級グルメ#85「末廣酒造」

「末廣酒造」 上野公園前 3831-3636
 秋葉で買い物をして、そのままブラブラ歩いて中田商店なんかをひやかしながら歩いているうちに、古いつくりの店を偶然みつけて、なんとなく入り、一発で気に入ってもう20年近くたつんだろうか。10席ぐらいのカウンターと50人ぐらいが宴会できそうな畳敷きの大部屋。いつも使っているのは、畳の部屋だ。あがり込んで、板張りの壁にもたれかかりながら飲んでいると、自分のことを気に入ってくれている親戚のおばちゃんの家で飲んでいるような感じでリラックスできる。

 しかし、単にリラックスできる空間だけが売りものではない。揚げ出し豆腐、砂肝をはじめとする焼き物が素晴らしい。そして秋の限定メニューである土瓶蒸し。それに大きなギンナン。すべて美しい。基本的には鳥を喰わす店。ナンコツ、手羽も含めて焼き鳥は旨いが、なんといっても砂肝。こんなに大きくて立派な砂肝は他で喰ったことがない。それに、揚げ出し豆腐が絶品。一見のお客さんはお店の人から食べ方を教えられる。おつゆがしみこむようにある程度、時間がたったら豆腐をひっくりかえしてね、みたいなことだけだが…。

 そして、この店の真価はなんといっても秋に発揮される。松茸のどびんむしなのですね。突如、メニューにあらわれ、突如消える。10月の半ば頃からは毎週、女将さんに電話して「今週はいけます?」と聞くのが秋の行事のひとつ。

 なんでも、高級料亭が初物としてあらかた出し終えたあと、安くなった国産の松茸を仕入れて出すんだとか。料亭で仲居さんがうやうやしく「丹波です」「岡山です」とかいいながら持ってくるおおぶりの松茸を、料理長がわざわざ部屋に来て炭火で焼き、それを食べ終わった頃に、「いや、うまかった」と言いながら料理長に酒をつぐという儀式も悪くはないと思うが(たいていそういう場所では、まだぼくが一番年少なので、お酒を料理長に注ぐ役割を仰せ付けられる)、松茸の一番美味しい食べ方はどびんむしだと思う。

 素焼きにするのには役不足でも土瓶蒸しなら、大げさにいえば浜作や吉兆のものと、そうは大差のないものができると思う(確か末廣さんで土瓶蒸しをつくってくれる方は吉兆で修行したと聞いたことがある)。ここで最初に土瓶蒸しを喰った時は、その旨さにひっくり返った。で、翌週も土瓶蒸し目当てに行ったらら「今年はもう終わりなの」と女将さんから言われて、再びひっくり返ったことを思い出す。昔は「土瓶蒸し1500円」とか案内が出ていたけど、いまはそうした限定メニューとしての案内もない。昔はコンピュータ仲間と、いまは野球チームの連中といくことが多くなったが、いつも大人数になる。

 末廣酒造で秋を満喫した後、アメ横で安くなった松茸をオミヤにして帰ると、なんか気分は御大尽。
suehiro_dobin_musi.jpg

これが砂肝。立派でしょ?

suehiro_sunagimo.jpg

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Comments

この砂肝は許しがたいデカさですね。。。

Posted by: 7号 | October 25, 2004 at 01:14 AM

ここの仕入れはスゴイんです
ギンナンなんかも許せないほどのデカさでして
いつか、ぜひ

Posted by: pata | October 25, 2004 at 07:50 AM

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