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September 01, 2004

「豚は夜運べ」と品川のNY Style

土地の記憶というのはあると思う。例えば、いくら西武が力を入れたとしても、池袋がオサレな街になるとはとても思えない。

藤原新也の『東京漂流』に「豚は夜運べ」という章がある。「午前三時頃、マンションの前でいつも急ブレーキを踏むような音が聞こえる。何だろうと思っていたら」というような書き出しで、品川の東地区にある食肉加工場(屠畜場)へ運ばれてくる家畜のことを書いていたのだ。品川の海岸沿いというのは、ハードボイルドな街なんだという印象が個人的には拭えない。もちろん清掃工場や汚泥処理場、屠殺場などは都市にとって必要不可欠な機能だ。いい悪いを言っているのではない。

とにかく、JR東海が東日本の車両基地と貨物の機関区になっている部分に目をつけ、新幹線を増発するために、強引なやり方で品川新駅をつくろうとしたあたりから、ここらあたりの再開発が始まった。海側は容積率(?)がいいために、高いビルが立てやすかったということもあり、あっという間に生まれ変わったが、土地の記憶は消せるとは思えない。そして、新しいビルには三菱グループ各社が入り、重工、商事、自動車などの本社が入った新しい〝三菱村〟がつくられているが、それが「豚は夜運べ」の土地というのは、なんとも…。

よせばいいのに、東日本もトチ狂って"New York Style"と銘打って、港南口につくった自社ビルにグランドセントラル駅のオイスター・バーなんかも入れて、格好をつけようとしている。

なんなんだろうな、この違和感は…と思いながらモノは試しとわざわざ4Fまであがり、ランチのPO'BOY (Fried Oyster Sandwich) をつまんでみたのだが、はっきりいってそのサービス、内容は違和感の正しさを確信させるものだった。

東海の強引なやり口に、当時の会長が「クウェートに侵攻したイラクのようだ」と一喝したという記憶がある。最終的に品川新駅はつくられたが、必要最小限の土地しか渡さなかったために、ホームには売店さえ設置できない狭さとなった。東海のやり口もどうかと思ったが、東日本も利用者のことを本当に考えているとは思えない。

まあ、それもこれも「豚は夜運べ」の土地の記憶がさせたのかもしれないが…。
grandcentral_fried_oyster_sandwich.JPG

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Comments

時をおなじくして、オイスターバーに行ったのですね。
無理やり「NY」というくくりで、つくったフロアーという感じですよね。
インターシティの前にあった屠殺場は印象深いです。
立ち食いそばやセルフうどん屋のように、そっけない感じで、オイスターバーをすれば、そのほうがかっちょよいのに。
そうはならないですよねぇ。

Posted by: bard | September 01, 2004 at 08:46 PM

「オイスターバー」はなんつうか、入り口のハデハデしさからして「引く」んですよね…

Posted by: pata | September 02, 2004 at 08:56 AM

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