東京B級グルメ#72「洋食屋大越」
大越 港区東麻布3-4-17 3583-7054
住所は東麻布だが、一の橋交差点のすぐ近くで、気分は麻布十番。スパゲティにハンバーグやメンチカツ、ポークソテーなどの洋食メニューをいろいろ組み合わせた独特のメニューがなんとも楽しい、昭和38年開店という古い町の洋食屋。なんでも開店当時から同じようなメニューでやっているらしい。
スパゲティは塩味がデフォルトの太麺タイプ。100円増しでケチャップ味(早い話がナポリタン)になるというジャンクなサービスが嬉しい。常連客はこのナポリタンを「赤スパ」って呼んでいて、「カツと赤スパ、それに半ライス付けてちょうだい」とかわがままに好き勝手なオーダーをする。かと思えば、赤スパ付きがデフォルトのメニューの場合は「チャップ抜きで」とオーダーを通したりする(早い話がケチャップ抜き)。ランチ時などはおばさんから若い人たちまでの女性の店員さんたちが、こういうわがままな客に対し、イヤな顔ひとつ見せずに、かといってクールに応対するのを見ているだけでも味わい深い。
まあ、本格的な洋食店と比べるとドミグラスソースが別物なのは値段を考えると致し方ないところ(セットが700円からだし)。ここのドミグラスというかソースは肉汁でウスターソースとケチャップを混ぜ込んでのばしたような昭和30年代風の味がする。だからハンバーグ類はあまりお勧めはできない。しかし、そのハンバーグのソースとからめて食べる白スパは最高という人もいるし、写真のオムライスのように、ケチャップライスのジャンクな味には、こうしたなんちゃってドミグラス(というか、まったく別モン)が意外にも合ったりする。しかし、単に昔懐かしい味というだけでは商売は長続きしない。卵の半熟かげんはなかなかいい感じだし、鶏肉と玉ねぎのケチャップライスのまごうことなきケチャップ味もいい。それに意外とスープが上品な味。ちょっと1000円というのは高い気もするが、不思議と時々喰いたくなる。
洋食メニューにはライス(味噌汁付きで、つけ合わせはキャベツの千切りからコールスローに替わる)という手もあるが、ここはやはりスパゲティを付けたい。大食漢は腹もちを考えて半ライスをつける、という手もあるし。おかず盛り沢山の弁当もお勧め。
ここはなんで流行っているかというと、前の道が飯倉片町の交差点から白金に抜ける広い道路に面していて、路駐がしやすいから。ということでタクシーの運転手さん御用達の店となっている。店内には「駐車しないでください」みたいな張り紙はあるけど、タクシーの運転手さんたちは店内でなごみまくっている。渋谷にも大越って洋食屋さんがあるけど、どうやらファミリーらしい。
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