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August 12, 2004

『いまこそ読みたい哲学の名著』#2

「あとがき」で長谷川さんはこう書いている。光文社の編集者が訪ねてきて、哲学を中心に古典を20冊ぐらいとりあげて、一般むけにわかりやすく書いてくるないか、と「気楽」な依頼を受けて、引き受けることにした、と。そして、本の選定も書き進むペースも自分のペースを守り、何冊も訳書を比較しながら、書き進めていった、と。中にはアリストテレスの『詩学』や、キルケゴールの『おそれとおののき』のように途中であきらめたような本もあったという。

 ここでため息が出た。学者先生なんかに執筆を頼むと、だいたいは「これ昔書いたヤツだから、使って」と若書きの習作にもならないような、学生のレポートまがいのものを渡されるようなこともあるときく。そんな「先生」たちと比べて、こんなに誠実なモノ書きの姿というのがあるのかな、と。しかも「読んでおもしろく、書くのも楽しめそう、という本を二十冊ばかり選ぶのが最初の仕事だったが、これはむずかしくなかった。書名のリストをあらためてながめてみると、当然のことながら、自分がいま読みたく思い、一般の人が手にとっても興味のもてそうな、そういう本が並んでいた。ならば、書く順番も、これを書きたいというそのときの気分にしたがうことにした」と自分も楽しみながら書いている。

 選ばれた本は「I人間」「II思索」「III社会」「IV信仰」「V美」という5章にそれぞれ3冊ずつ割り振られている。取り上げられている本と副題は以下の通り。

「I人間」
アラン『幸福論』 …………健全なる精神
W・シェイクスピア『リア王』 …………愚かさの魅力
デカルト『方法序説』 …………世間という大きな書物

「II思索」
プラトン『饗宴』 …………古代ギリシャのエロス
『論語』 …………序列意識の根深さ
マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 …………歴史の奥を見る目

「III社会」
ルソー『社会契約論』 …………人間への限りない信頼
J・S・ミル『自由論』 …………自由な社会のむずかしさ
ドストエフスキー『死の家の記録』 …………小説家の獄中生活

「IV信仰」
アウグスティヌス『告白』 …………聖なるドラマ
パスカル『パンセ』 …………隠れた神
フォイエルバッハ『キリスト教の本質』 …………無限なる人間存在

「V美」
ボードレール『悪の華』 …………美の王国
ウィトゲンシュタイン『色彩について』 …………色の現象学
M・メルロ=ポンティ『眼と精神』 …………世界の誕生

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