『ニッポンの誤植』
今日も目ぼしい獲物はなかったな…と思いつつ六本木ABCのレジ前の平積みカウンターまでやって来た時に、そいつはいた。変形版にややオサレな装丁をして。4月に発売されてしたというのに、どこに隠れていたのだろうか。
「ままよ」とばかりに980円で買い、電車の中で読み始めたら、笑いが止まらず「イカン、このままでは明らかに陽気でおかしくなったヘンな人と思われる」とカバンの中にしまいこんだ。家に帰ってきて、フロ場で読んだのだが、爆笑の連続。久々に心の底からバカ笑いをしてしまった。
この本は致命的な誤植を発見した読者が、それを写真に残したものを集め、収録している。ただそれだけの本だ。時には金原ひとみさんや175RのSHOGOなどが批評を加えているが「和田獏を武者小路実篤に訂正します」という文芸誌の驚きの訂正文や(そもそもどうやって間違えるんだ…)、無名バンドの「ドングリ付」というライブ告知(もちろん正しくはドリンク付き)、「褌の大家」と紹介された禅の鈴木大拙などの前には、こざかしい批評などは意味がない。
地人ごととはとても思えず、自分でも「オレは誤字脱字王」と思ってはいるものだから、ここで笑ってはバチが当たると恐れつつ、しばし時間を忘れることができた。
同業者の方々には特にお勧め。これまで自分がやってきた誤植に対して、少しは気が楽になると同時に、「やっぱ、ちゃんと校正せなアカン」という気分を新たにしてくれる(うーん、頑張ろう…)。
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Comments
誤植発見。
地人ごととは→他人ごととは
ですよね。でもこの紹介だけで笑ってしまいました。
Posted by: algol | July 16, 2004 10:50 PM
きょ、恐縮です…
ご指摘の通り直そうかと思ったのですが、これは、これで生かさせていたただきますw
とはいうものの、後で書きますが、この本を買ったABC六本木が閉店してしまったんです…ショック。
Posted by: pata | July 16, 2004 11:18 PM