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July 19, 2004

『観光の哀しみ』

 去年、文庫化された時に朝日の書評欄で紹介された「招かれてもいないのに出かけていく」という一文がいいなと思って購入した酒井順子『観光の哀しみ』(新潮文庫)だが、サラッとめくったが読んではいなかった。その後、『負け犬の遠吠え』が有名となったことを知り、野球に行くとき読むものがなくなっていたので、取り出して読む。

 文章は勢いがある。「脱衣場でも浴槽でも洗い場でも、一人女ばかりなので話し声はしない。『この人もあの人も、きっとこれから…』などと想像するとあまりにこっ恥ずかしくて、『ギャー!』と叫びだしそうになるのでした」(p.28)と温泉の哀しみを"説明"する文章には勢いがある。しかし、今日、Blog全盛時代にあって、ちょっと吹っ切れてしまっているような人ならば、このぐらいの文章はwebで披露してくれている。

 未婚、子ナシ、三十代以上の女性のことを示して「負け犬」と定義することも、なかなかだとは思うが、後が続くかどうか。結局、やっているのは「見立て」であって、得意分野の見立てが終わってしまった後、どうするのかが、勝負になると思う。この本でも面白かったのは前半だけだった。
kanko_kanashimi.jpg

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