『オーケストラ楽器別人間学』
『オーケストラ楽器別人間学』茂木大輔、草思社
2chののだめスレ@クラ板で知ったのである。『のだめカンタービレ』で描かれている楽器ごとの人間模様がよくわかるみたいな書き込みだったと思う。
著者の茂木さんはNHK交響楽団首席オーボエ奏者。オーケストラのことをサイボーグ009のような集団だとのっけから規定する。
「なに、最初はファンファーレか。行け!トランペット」
「了解!!」
「む、カンタービレだ。たのむぞオーボエ。弦楽器、ハープ、援護しろ!」
「ほいきた!」
「とぼけたフレーズだ!}
「それならあっし、ファゴットにおまかせ!」
「よい、いよいよクライマックスだ。全員で突撃するぞ。打楽器いっせい、発射!」
なんて感じで職能集団としてのオーケストラを描写する(p.10)。素晴らしい。
この後、楽器別に典型的な人となりを描いて笑わせてくれる。特にヴィオラ奏者は秀逸。なんとなく自己主張が少ないこの楽器を奏でる人の姿が見えてくる。
次は、どんな風に楽器が個人の人格に影響を与えたのかの考察。ヴァイオリンが単純に「不必要な弦をひっかけない」だけでも微妙な神経が必要となり、奏者には「繊細で神経質な面を与える」というのは、『のだめカンタービレ』でもよく描かれている。
さらには、楽器別のデートでのふるまい篇、有名人がオケマンだったとしたらどんな楽器を選ぶか(ビートたけしさんをはじめお笑いのスーバースターはみんなヴァイオリンだと予想)など盛りだくさん。
『のだめカンタービレ』ではいまひとつ描ききれていない木管、金管楽器の人間模様も楽しい。とにかく、このマンガのファンならぜひご一読を。新潮文庫にも入っている。

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