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July 11, 2004

ピッチャーの指名スト

 「前田教授の『選手会ストの見通し』は素晴らしいbyトーチュー」で、勝手に要約させてもらった内容のうち「指名ストというのがようわからん」というメールをいただいたので、僭越ながらちょっと解説させていただく。

 指名ストは一言でいって組合の犠牲を少くして会社側に組合以上の出血を与える戦術だ。例えば1956年の北陸鉄道労組の記録によれば、延16日間に及んだ指名ストによる会社側の損害は、300万円に上ったのに対し、組合側の指名スト参加者がカットされた賃金は約25万円にしかすぎなかったという。

 今でも航空業界ではパイロットなどの指名ストが行われる。組合員全員がストに突入すると、全員の賃金がカットされるが、指名ストの場合、特定の職種の人間だけしか賃金カットされない。組合側はそれを残り全員で均等負担すればいいのに対し、会社側は事実上、生産が全面ストップになるわけで、被害は甚大ということだ。

 プロ野球の場合、ピッチャーとして投げられるのは、ピッチャー登録されている選手だけだ。それは、デッドボールを喰らった野手が、あてた相手ピッチャーがバッターとして立った時、報復としてピッチャーになってデッドボールを狙うことを阻止するためだ(実際に大リーグであったから禁止された。イチローがオールスターで立ったのはお遊び)。

 前田教授は投手か捕手かの指名ストといっているが、こう考えるとピッチャーの指名ストというのが有力だと思う。野手と比べてピッチャーの年棒は低すぎるから、そうした不適切な評価をしてきた球団側にとってはダブルパンチになるし、さらに効果的だ。

 もっとも、そんなことをしたら「卑怯だ」みたいな世論が持ち上がって、選手会としてはよっぽどうまくアナウンスしないと逆効果になる可能性が高いと思う。そして、最悪の場合、前田教授の言うように「ストをすればプロ野球がつぶれる」ことにもなりかねない。金の卵を産むニワトリは殺してしまっては何にもならないから、選手会としても慎重にいっているんだと思うけど。

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Comments

> プロ野球の場合、ピッチャーとして投げられるのは、ピッチャー登録されている選手だけだ。

5年ほど前、阪神監督のノムさんが阪神時代の新庄に「投手の心理を理解させる」という目的で、投手起用を試みたようなことがあったと思うんですが、そうなるとルールとしてはどうなのでしょうか。
(すんません。調べても見つからなかったので、教えてクンします。)

Posted by: 7号 | July 12, 2004 at 02:10 AM

あれは、もし、新庄を本当にピッチャーとして起用する場合は投手登録しなければならなかったのではないでしょうか?厳密な書かれている規定を探すのは難しいですねぇ。ただし、以下のような「野手登録のため登板せず」という記録や
http://pospelove.com/h3-dragons.htm

3位 若林隆信 (佐賀学園高 投手)
年度 所属 試合 勝数 負数 S数 投球回 防御率
1992年 中日  野手登録のため登板せず
1993年 中日  野手登録のため登板せず 1994年より投手に転向
...................................
1999年より野手に再転向

また、プロ野球の外国人枠についての規定で「・投手登録でも野手のポジションでラインナップに並べば野手として数えます。・野手登録でも投手として出場できます。」
というのがあり、これは、わざわざこうした規定があるのは、逆に日本人選手ではダメということなのかな、というネガティブな推理をはたらかせなければならないかもしれません。
http://cgi.sainet.or.jp/~nishizak/baseball_faq/i/pro_Q3-1.html

Posted by: pata | July 12, 2004 at 06:41 AM

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