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July 19, 2004

Anne Sofie von Otter: Korngold "Voice of Our Time"

 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Anne Sofie von Otter)をご存知でしょうか?メゾソプラノという地味目の歌手ながら、澄明な声、知的な選曲などで、クラファンのハートを鷲づかみにしている。もちろん、クラの世界で成功するための美貌の持ち主であり、オペラ『薔薇の騎士』(リヒャルト・シュトラウス)のオクタヴィアン・ロフラーノ伯爵(愛称カンカン)役の写真などは宝塚的な妖しい美しさも漂ってくる。金髪で細身のすらりとした立ち姿の美しさはあまり記憶にないほど。

ということで今朝、ボーッと起きて、パスタをつくって食べながらテレビをつけると、NHKのBSで「世紀の歌声 アンネ・ゾフィー・フォン・オッター」というなんともいえない題名の番組が目に付いた。Bモード・ステレオなので素早くAVアンプをON。見始めるとフランスの放送局が制作した"Voice of Our Time"という番組だということがわかる。このコンサートは"Rendezvous with Korngold"というタイトルでCD化されている(Deutsche Grammophon)。曲目はすべてコルンゴルトのもの。

 コルンゴルトはモーツァルトにあやかってヴォルフガングという洗礼名を付けられた、いまは忘れ去られた神童。10歳で完璧なピアノ作品を発表しただけでなく、どんな注文にもホイホイと気軽に応じて、やがてハリウッドに札束で頬っぺたをひっぱたかれながら連れ去られ、オスカーを受賞するもなんも気休めにもならず、そのうちナチスのユダヤ人排斥で亡命せざるを得なくなり、第二次世界大戦後にウィーンに戻ったが、失意のまま死んでしまったという経歴の持ち主だ。アカデミー賞作曲賞に輝いたのが1936年『風雲児アドヴァース』、1938年の『ロビンフッドの冒険』というが、なんともいえないでしょ?。

 アンネ・ゾフィー・フォン・オッターはこれまでもクルト・ヴァイルの作品集なども残しているが、20世紀の代表的な芸術としての映画音楽、しかもクラ本流からは大時代的と酷評されたような後期ロマン派的な雰囲気の作品に、もう一度、光を与えようとしているのかもしれない。
ana_sofi_fon_otter.jpg

1. 組曲 作品23 から第3楽章
2. シェークスピアの詩による4つの歌 作品81
   ‘デズデモーナの歌’
   ‘緑の木下で’
   ‘吹け、吹け、冬の風’
   ‘鳥たちが歌うとき’
3. 月よ、こうしておまえは再び昇る  作品41 第3 (ロタール作詞)
4. ピアノ五重奏曲 ホ長調 作品15   第2楽章
5. 愛の便り 作品9 第4 (ホノルト作詞)
6. わたくしにとって君は 作品22 第1 (ストラーテン作詞)
7. 歌劇「死の都」 作品12 から
   マリエッタの歌 “わたしに残されたしあわせ”

ソプラノ : アンネ・ゾフィー・フォン・オッター
ピアノ : ベンクト・フォシュベリ
チェロ : マッツ・リドストレム
バイオリン : ウルフ・フォシュベリ
ビオラ : トビアス・リングボルク
バイオリン : ニルス・エリク・スパルフ

  興味をもたれた方はこんなのも参考に。『Korngold / コルンゴルト: 神童の冒険(ポートレートとコンサート) カヴァコス / オッター / ウルフ / フランクフルト放送交響楽団 / 他 』

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