東京B級グルメ#58「ふくの奈可越(なかお)」
ふくの奈可越(なかお) 東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-2 新宿タカシマヤB1F 5361-1821
ちょっと季節感ないことおびただしいけど、このまま冬まで待っていてはネタもなくなるので、ご紹介。デパ地下はここまでやる、みたいな店だ。
それが新宿のTIMES SUUARE B1に出ている「ふくの奈可越(なかお)」。冬場には1500円でフグ刺し、ふくめし、煮凝り、お吸い物が食べられる。サラリーマンが美味しいとらふぐを自腹で堪能できるとしたら、ここっきゃないというのは大げさかな。営業時間は10:00~19:30で、以前は先着20人までは1000円になっていた。
ここのふぐ刺しだけど、テクアウトの3000円分ぐらいのを出してくれる。なんとリーズナブルな。そして、おそらく、いくらなんでも店の名前をかけて本当の「とらふく」を出してくれるだろうから「別なふぐなんじゃないだろーか」とか変な心配しなくてもいいのが安心だ(と思う)。その「ふくさし」は、小さい皿に一回りだけだけど、きり方というか薄さというか厚さが、おいらみたいなのにはちょうどいい納得感。
「ふくめし」も(・∀・)イイ!!。ふぐの炊きこみご飯の上に、湯引き、河豚皮の煮凝りのはじっこのほう、錦糸卵、海苔が乗ってる。ふぐの出汁が沁みててサイコー。しかも、200円でおかわりまでできる。皮の煮凝りと、アラで出汁をとったお吸い物はフツー。
ふぐといえばこんな一節を思い出す。
「少餡があらわれた。日曜日なので、ラフな格好をしている。四十キロのフグが用意してあるという。
私のためのフグが夏から生簀で泳いでいるというのは、どうやら、言葉のアヤであったようで、十五日、豊後水道に船を出して、一本釣りで釣らせたという。十五日に船を出したのは、釣ってから三日目のフグがもっともうまいからであるそうだ。
四十キロのフグ!小柄な女性の体の一人分を食べなければならない。(中略)
タイとエビの刺身。煮物。それに、直径一メートルの大皿に盛ったフグサシが三皿。(中略)
その翌日も、朝、昼、晩、夜中とフグサシの大皿が続くのであるが、ついに一度も、大皿の中心部のサシミに箸が到達することはなしに終わった。」
(『迷惑旅行』山口瞳、新潮社、1978、pp.238-239)
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