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May 25, 2004

『言語/性/権力』

『言語/性/権力―橋爪大三郎社会学論集』橋爪大三郎
 橋爪さんの本で積読状態だった『世界がわかる宗教社会学入門』を読んだばかりなのだが、今日、ABCを覗いたら新刊が出ていた。社会学のプロパーの人に、果たして橋爪さんは学術論文を書いているのかと聞いてみたくもなるのが、まあ、自己満足の論文を書いているよりも、世に出て発言した方が社会学者みたいな人は風圧を感じていいんだろうと思う。

 前文でなんとなく、これまで分からなかったことが一点だけ理解できたような気がした。それは落合仁司さんをなぜ評価しているのか、ということ。落合さんは、ギリシア正教の神学をベースに集合論で神概念を考察する数理神学を展開している経済学者なのだが、橋爪さんが「社会学は、数学で言えば抽象代数学にたとえられるようなものである。ふつうに四則演算として知られていたようなことを、抽象代数学は、群や環や体に置き換える。その構造が、透明に明らかになる」(p.9)としているが、橋爪さんの書いたもので、時々、参考文献として『<神>の証明:なぜ宗教は成り立つか』講談社現代新書1392, 1998があがっているの理由が、ようやっとわかったようかな気がする。チラチラ気にかかっていたが、まあ、それほどぼくはダメ読者だということだろう。

 集められた論文は短いものばかりで、せっかくいいところにくると「すでに紙幅もつきてしまった」みたいな感じで終わってしまうのが多い。特に第9章の「文脈と権力」などはその典型で、フーコーやルーマンなどを批判しつつ、結局、社会契約論にすがってしまうのか!芸がなさすぎ!と思う。

 ただし「身体は社会現象が生起する場である。社会は、身体と身体との相互関係として、張られている。身体と身体が直接的に関係する場合が、性。身体と身体が形式を媒介にして関係する場合が、言語。身体と身体が、身体の集合性を経由して関係する場合゛か、権力」(p.12)として、それらの上に立てられる社会学を言語派社会学とキレイに説明しているのは、ぼくの読解力がなかったせいもあるが、いろいろ橋爪さんの本を読んできた中ではスッキリとしている。

 しかし「概念整理ばかりで、なにも展開していないじゃん」とか「具体的な問題に言及すると社会常識みたいなところからしか発言しないじゃん」みたいな批判を受ける可能性は常に抱えている人だと思う。

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