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May 24, 2004

『トッティ王子のちょっぴし おバカな笑い話』

『トッティ王子のちょっぴし おバカな笑い話』沖山ナオミ、いとうやまね、ヴァレンティナ・マルツィアリ訳

 Amazonからやっと届いたのは2刷。ということは初版は売り切れたんだろうか。信じられない。

 名著『イタリア語でカルチョ情報をGetしよう!―攻略gazzetta』の沖山ナオミ、いとうやまねが共訳して、訳出不可能かと思われた本がようやく出来上がったわけだが、やはり日本人だけでは"ローマ弁"のニュアンスまではわからなかったらしく、ヴァレンティナ・マルツィアリというネイティブの参加を得ている。オーバーに言えば『フィネガンズ・ウェイク』にも匹敵するような訳業だと思う。逆にいえば長嶋監督ネタにしたジョーク集をイタリア語で出版するようなものか。とにかく「いわゆる、ひとつの、マスターピース」になっていると思う。

 とはいっても、純粋に楽しめるものは少ない。ほとんどがダジャレに類するものだから、イタリア語に関する訳注を参照しないとワケがわからないものが多い。論理で笑わそうという小話はアメリカン・ジョーク並に寒いし。しかし、そんな中でも、人びとがトッティに仮託しているものはなくとなく垣間見える。それは英語の侵食であり、EUという屋上屋の行政組織に対する居心地の悪さであり、南北格差だ。

 それにしても、これをユニセフ親善大使の仕事の第一号にしてしまったトッティは素晴らしい。印税の50%はユニセフに、残り50%は老人福祉事業に寄付されるという。自分のジョーク集で笑ってもらって楽しんで、しかもチャリティにしてしまうというのは、ヌード写真集を発売してチャリティに充てるという発想と同じというか、自分も楽しむみたいなおおらかな態度がうらやましい。それにしても「男をあげる」というのは、こういうことをいうんだと思う。バカにされる対象から、それを客観視できる度量をみせることによって、一気に尊敬される対象へと自分をジャンプアップさせたのだから。
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