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May 13, 2004

サイモン・クーパーと稲本潤一

 ひと頃、やたらサッカー関連の増刊号を出していたNumberを買いまくっていたことがある。しかし、もうNumber PLUSと題される増刊号を黙って買うことはなくなった。どうせ書かれているのは選手のインタビューだ。そんなもんは世界(インターネット)にあふれている。

 ということだったが、もうすぐユーロ2004。テレビ観戦のちょっとした合間に、データを見たい場合とかあるじゃない?サカマガかサカダイの特集号の方がそりゃ、データはキッチリしているとは思うけど、どうせ、それもインターネットにはかなわない。ならばというのでNumber PPLUSのユーロ特集を買ったんだけど、巻頭のサイモン・クーパーの3頁の文章を読んだだけで、儲けたなと思った。どこまで信用できるかは別として(彼は誇張する癖がある)、ポルトガルという国、その歴史と現在がユーロと交差する断面を見事に切ってくれている。

 曰く「ポルトガル人の半分近くはまったくと言っていいほど読み書きができない」。曰く「ユーロ2004には"ヨーロッパの"一国であるポルトガルの再生を祝うという意味があった(8月にギリシアがオリンピックを開催するのにも同様の意図がある)」。「しかし現在、国は不況のさなかにある。昨年はついにギリシアを抜いてEU内の最貧国となってしまった」。「その一方で政府は10ヵ所のスタジアム、それもユーロ2004以降は大半が使用されなくなるような施設に6億6100万ユーロも注ぎ込んでいる」「マヌエラ・フェレイラ・レイテ蔵相は、ユーロ2004を開催してほしくないとまで述べた」。

 恥ずかしながら知らないことばかりだった。しかし、こういう情報に触れることができるというのも大きなスポーツイベントの恩恵なんだと思う(願わくばサッカー・イラク代表のオリンピック出場が、あの国の立ち直りのキッキケになりますように)。

 もう一冊、読んで感心したのが、今日売りのNumber。戸塚啓のチェコ戦レポートは、前にも書いたけど個人的には現代表ナンバワーンの分析家であると思っている稲本へのインタビューを通じて、キッチリと分かりやすく試合を分析している。
numberplus_euro04.jpg

.........Quote.........

 「相手が2トップで良かったですね。1トップだと両サイドに張られてしまうので、どうしてもキツくなるから」

 「向こうはそんなにプレッシャーをかけてこなかったし、中盤でパスを回してこなかったので、狙いどころがはっきりしたのはあったと思う。2トップにしっかりボールが入って、勝負できていたのもよかった。自分はネドベドとロシツキへのこぼれ球を意識的にやったし、ガラセクもしっかりみれたと思う」
稲本はこう話している、フィールド上での明確な役割分担と整理された思考が、彼のコメントからうかがえるだろう。(p.77)

......End of Quote.....

 どうよ、この明快さ。素人がやたら使いたがるような目くらましの小難しいサッカー用語なんかは皆無。なのに場面場面の映像がアタマん中に広がるコメント。

 「自分も伸二もコンディションがいいのは久しぶり」(p.78)だったのだから、いくらアイスホッケー大きな試合のテレビ放送開始時刻にあわせるため43分で試合終了の笛を吹かせたとはいえチェコに快勝できたわけだ、と改めて思った。

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