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May 18, 2004

『哈日哈 ハーリーズ なぜ日本が好きなのか』

『哈日族 ハーリーズ なぜ日本が好きなのか』酒井亨、光文社新書

これはめっけもの。さっき、会社を3年ぐらい一時休んで台湾で勉強してきたヤツに聞いたんだけど、この酒井亨って人は、いま若い人が台湾語学習者になろうとすると、必ずブチあたる有名人らしいのだ。元は共同通信の記者。いまはフリーとなって台湾の大学院を拠点に民主進歩党(民進党、陳水扁総統派)の対日アドバイザーみたいなこともやっているらしい。

台湾の歴史をチラッと学んだ人、あるいは司馬遼太郎さんの『街道を ゆく 台湾紀行』を読んだことのある方なら、台湾が日本、中国との関係で微妙な歴史を持っていることをご存知だろう。例えば李登輝前総統などはほとんど日本語で読書を行なうというし、強烈な日本びいきということは知られている。あるいは映画ファンなら侯孝賢の『非情都市』を思い出してくれればいい。とにかく中国共産党に破れて台湾に敗走してきた国民党軍は、1947年の「二・二八事件」など、それまで台湾に住んでいた「本省人」の弾圧を行い、武力制圧する。そして、本省人=台湾人は「より悪くなかった抑圧者」として日本を懐かく思い出すようになった、という。それが、現代台湾の日本ブームの底にあるのかもしれない、と。

北京語(マンダリン)と台湾語とは「最も基礎的な語彙200語をとっても北京語と台湾語では半分以上が違っている。この違いは、ドイツ語と英語の間よりも大きい」(p.141)という指摘は強烈。

あと、本省人と外省人ではやるスポーツも違うらしい。2003年のプロ野球台湾シリーズは与野党の政治家が観戦して話題になったというが「本省人の陳水扁は野球のルールもよく知っていて楽しんでいたのに対して、外省人の野党党首宋楚喩はルールがほとんどわからず、まごついていたようだ」(pp.176-177)というのは場面を想像して笑えるし、台湾独立運動の根の深さを思い知らせてくれる。やっぱり一緒のスポーツでもやらんことには仲良くなれんからね。でも、日本人好きの本省人が日本から輸入された野球を愛好するのに対し、外省人たちはバスケットボール一辺倒だという。
haries.jpg

今年の総統選挙で陳水扁が勝ってよかったと思う。とにかく、この酒井亨という人は「当たり」だそうだから、安いし、すぐ読めるので(文章はやっぱり文屋らしくわかりやすい)台湾についてチラッとでも知りたいみたいな人は、どーぞ。

同じような植民地支配を行なった朝鮮や中国本土では、強烈な反日教育が行われ、その影響はあと50年は消えないといわれているのに対し、台湾では『哈日族 ハーリーズ』と呼ばれる日本好きの若者たちが、もはや社会層として存在するようになったのは、残念ながら確固とした自国文化というものを持てなかったからだ、とアッサリ著者は書いているが、そういうことなんだろうと思う。

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