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May 07, 2004

『監督の日記 '96-'97』ファーガソン

『監督の日記 '96-'97』アレックス・ファーガソン、東本貢司訳

 なんとなくだが、ファーガソンが今年で辞めそうに思えるので、積んでおいた彼の監督日記を読んでみた。ベッカムの52mの超ロングシュートで始まったこのシーズンは、0-5、3-6という記録的な大敗が続いた後、40年間続いたオールドトラッフォードでのヨーロッパ戦無敗記録が無残にも破れるという大スランプを経験する。CLでは優勝したボルシア・ドルトムントに準決勝で破れ、最終的にはカントナも引退してしまうが、なんとかプレミアシップの優勝で幕を閉じたというジェットコースターのような1年だった。

 特に印象深かったのが、100頁からの連敗で沈むチームをどう立て直すか、という部分。ファーガソンはさまざまな自問自答を繰り返す。ニューカッスルに続きサザンプトンにも敗れた後、「トレーニング不足のプレーヤーは、反応の鋭さを欠いてしまう」としてインターナショナルウィークを利用して、フランス代表に召集されないカントナにガラマッチの出場とトレーニングを薦め、国際試合から戻ってきたばかりの選手たちにも厳しい紅白戦で鍛え上げる。そして、厳しい練習でシェイプアップされたことを確認した後、「今夜は間違いなく休養に充てることをプレーヤーたち、特に若い者たちに確認しておいた。もし外出でもしようものなら、その両足を叩き切ってやる」(p.131)とすごみもきかす。

 そしてホームでアーセナルを1-0で破り「快勝こそなによりの薬」と締めくくる(p.136)。
Alex_ferguson.jpg

 線はひっぱりまくりで、ページも折まくりだが、あまりにも紹介したいところが多くて、とても引用はできない。ここ20年で最高のイングランドフットボールの監督の話は読むに値する。

 こんな緊張を、もう15年以上も続けている精神力は信じられない。連敗が続いていればトレブルも、ダブルも全ては過去のものであり「ごく最近の結果で是非が問われる」のがフットボールの世界なのだから。だから、長く続けられる監督というのは、連敗が続いているような時に、いかに、チームを素早く立て直すことができるか、という能力なんだいう、当たり前の結論に至ってしまう。しかし、当たり前だといってバカにしてはいけない。フットボールはシンプルなものなのだから。

 戦術の話などあまり出てこないのが痛快だ。

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